ヤマ場を迎えた合併選択肢の論点【1】7月31日告示8月10日投開票 住民投票では議員は被告の立場
掲載号 03年08月02日号
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市町村合併による財政面で優遇措置を与える特例法が平成17年3月に期限切れになる。これに乗り遅れると小規模市町村の財政はピンチに陥り合併せざるを得なくなる状態。
その一方で、法定合併協議会を設置したものの住民投票で白紙撤回となった町村も出ている。合併協からの離脱、新市名称をめぐる混乱の中で合併論議を加速する半面、将来を見据えた協議、住民の意見を十分に反映した論議は希薄ではなかろうか。
幸いにも今春の統一地方選挙で住民の参加意識が醸成され、平成の大合併はあくまでも一つの通過点であることを多くの人が感じ始めた。そうした背景からも今回の因島市と瀬戸田町の法定合併協設置の賛否を問う住民投票は、やっと住民の意見がとどく仕組みに手がとどいたといえよう。
柴田町長の合併構想 岐路に立つ観光の町
瀬戸田町長の柴田大三郎氏の合併基本構想は尾道・三原広域を視野に入れた3市5町をめざし、そのステップとして三原広域合併の実現を目指すという。瀬戸田・因島の1市1町ではすぐに次の合併が浮上、町民に短期間で2度の苦しみを与えることになるとマスコミにコメントする。
つまり、尾三地区の合併構想を視野に入れての合併論だが、それならば道州制を含め備後圏、しまなみ海上都市圏構想もそんなに遠くない話である。
さらには苦しみを与える合併手法にもムリがあるのではなかろうか。
なぜ急ぐのかという問いに「町の財政事情から」を理由にあげる。金(財政優遇措置)を第一に考えるような合併は志が低い。だが背に腹は替えられぬ―というのが瀬戸田町の台所。
合併に対し、何を守り、何を捨てて、何を加えていくのか住民に対する説明は十分といえない。
当初打ち上げた三原架橋は夢と消えた。現実に目の前にあるのはゴミ、消防、学校、病院など。広域連携時代に対応して解決できるから合併相手と関係ないというのも虫がよすぎる。
しまなみ海道全通を視野に入れた「シトラスパーク」の再生問題も含め三原広域合併で解決できるのか難問は山積している。
辛抱強い因島 逸る瀬戸田町
先月のこと、県下市長会の集まりがあった。昼食時に合併問題の話題があがったが相手先が決まっていない大竹、竹原、因島の3市はカヤの外。その3市の市長さん「飛び地の法定協議会を発足しましょうか」とジョークとも本音ともとれる談笑の一幕があった。
特例債による財務援助を受けるだけなら飛び石合併という構図も考えられる。
11月に予定されている地方制度調査会の最終答申が出る。道州制へ向けての合併や地方自治体の二次、三次合併の道筋が示されるだろうが、合併特例債を受けたら、4分の3を国が負担するので膨大な額となる。そんな財源が国にあるのだろうか、と疑いたくなる。アメとムチとの合併特例法をにらみながら因島市長の村上和弘氏は逸(はや)る気持ちを押えながら住民投票の行方を注目している。
「合併は結婚のようなもの」というが、似た者同志の対等合併と玉の輿の吸収合併、不安抱えた政略結婚など色々なケースがある。複数以上の合併だからなお難しい。「ともに幸せな未来を…」と新郎新婦が納得済みでゴールインする「合併=結婚」なら住民は心から祝福できるだろう。
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