因島市と瀬戸田町の合併論争 両議会の法定協設置否決を覆す 住民投票を目指し署名活動開始

掲載号 03年05月10日号

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 因島市と瀬戸田町の住民グループ「合併を考える会」(林克宏会長、160人)は7日、因島・瀬戸田の1市1町で合併協議会を設置することについての是非を問う住民投票を実施する署名活動を始めた。

 合併を考える会は、2月に特例法に定める有権者の50分の1以上の署名を集め市長と町長に「合併法定協議会設置」を請求したが、両議会が否決した。

 議会の否決を覆えす住民投票に向け署名活動も考えられたが、合併問題を統一地方選挙の争点として注目することにした。しかし、選挙でも決着しなかった。

 因島市長は瀬戸田町との合併を目指す現職が圧勝で再選。瀬戸田町長は三原広域の合併を志向する現職が62票差で当選した。

 ところが、両議会は1市1町の合併反対議員の方が多数を占めている。そうした背景のなかで因島市は議会と住民の考えに温度差があり、瀬戸田町は町長・議会と町民との間に微妙な差がうかがえる。

 署名期限は6月7日までで、市と町の選管が日以内に審査、7日間の縦覧期間を設ける。確定すれば、40日以内に両市町が同じ日に住民投票を実施する。

 平成の大合併のタイムリミットは平成17年3月。なぜ合併か―については行財政改革、なかでも財政問題で「合併ありき」という論点から出発した。それに関する国や県のアメとムチ。生活・歴史文化、地域の将来像のシュミレーションの貧弱さが住民署名運動へと発展、さらには議会解散の是非を問う住民投票へとエスカレートする雲行きもうかがわれる。

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