僅少差の瀬戸田町長選 合併論議の決着微妙 注目される町民の動向

掲載号 03年05月03日号

前の記事: “選挙で決着しなかった合併論争 瀬戸田町民は62票差で現職支持 因島市の合併将来像仕切り直し
次の記事: “因島市と瀬戸田町の合併論争 両議会の法定協設置否決を覆す 住民投票を目指し署名活動開始

 16年ぶりの瀬戸田町長選挙、まれにみる大接戦であった。三原広域合併をめざす現職の柴田大三郎氏(57)と、しまなみ海道軸の合併をかかげる新人田頭秀生氏(66)の一騎打ち。その差わずか62票。31票を田頭候補に移せば同数という、柴田氏薄氷の勝利だった。

 投票率は91.3%で、町長選挙への町民の関心は非常に高かった。11の投票所での投票率は軒並みに60%を越しておりなかでも95%の高根が際立っている。高根島が柴田氏の地元であることを考慮すると、この点が勝敗の分かれ道になったようである。

 町長選の結果への評価は2つに分かれている。

 現職柴田氏の勝利と町議選の結果から三原広域合併方針が信任されたとするもの。その一方で、新人田頭氏が善戦したことから三原広域合併推進に待ったがかかったという見方。もともと「選挙と合併は別」という意見も、町民のなかに根強い。

 そもそも三原広域合併も合併任意協に入るかどうかをめぐっての段階であって合併議論はこれからが本番である。三原市と向き合った合併交渉となると、様々な問題点が浮彫りになることだろう。

 これまでの柴田町長の合併についての説明は、町内向け=選挙向けのものであった。任意協での三原市と本郷町との対立をみればわかるように、同町長の思惑がどこまで通用するか、未知数である。

 統一地方選挙の結果をうけて、因島市と瀬戸田町の住民が、住民発議制度による住民投票の署名集めを検討している動きもある。瀬戸田町の今後の動向から目を離せない。

1052484676.jpg

 写真は瀬戸田町長選挙の合同個人演説会。

E

トラックバック