再選果たした因島市長に聞く 瀬戸田町との合併将来像は未決着 住民は相手選び問う署名運動開始

掲載号 03年05月17日号

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 因島市長は瀬戸田町との合併を最優先、瀬戸田町長は三原広域の仲間入り目指しての選挙戦。ともに反対方針を掲げた新人と激しい一騎討ちで島を2分した。結果次第では島同志の合併協議再会の芽があった。だが、62票という小差で現職町長が勝ったため合併選択肢の構図は変わらず、むしろ瀬戸田町が三原広域に駆け込む条件が備ったといえる。そこで、因島市長の今後の取り組みに迫ってみた。

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 ―局面によって方向転換する可能性もあると思いますが

 「小差とはいえ、瀬戸田町長は町民の信任を得たことは否定できない。選挙結果では1市1町あるいは「しまなみ軸」での合併へ急展開する可能性もあった。しかし、今となっては瀬戸田町との合併条件は難しくなったので、因島市民の将来に、より比重を置いて考えていくことになる」

 ―そうなると、尾道広域か、単独か。そのほかも

 「いまでも因島市と瀬戸田町がしまなみ軸となって合併することをベターだと思っている。県が決めた尾道広域の枠組みからはみ出すが、一時取りざたされた愛媛県の島しょ部町村との県境を越えた合併を望む市民の声があることも選挙を通して耳にした。財政面から難しいとされている単独説など、それなりに市民や町民が合併について一歩踏み込んだ取り組み姿勢になったこともあり、早速合併の枠組みを今一度市民に問うアンケートを実施した。

 ―アンケート結果は

 「あくまでも今後の参考にするが、5月7日に因島市と瀬戸田町民グループの『合併を考える』会が法的な手続きのもとに両市町の合併協議会設置を請求する住民署名運動を始めた。さらには住民投票へと進展するが、その決着がつくまではアンケート結果を公表することができない」

 ―方針転換も

 「市民アンケートの結果も参考にするが、瀬戸田町の動向や住民の署名活動の推移など多角的に判断する必要がある。国県指針の合併タイムリミットは平成17年3月に追っているが、いまだに合併枠組みが決まっていない竹原市や大竹市などとも連携をとりながら因島市の将来をシュミレーションしたい」

 ―2期目の抱負

 「しまなみ沿線の中核都市として基幹産業である造船や機械産業振興に力を注ぐ。因北の重井ほ場整備事業で造成された商工業団地には国内外にシェアをひろげているメーカーの工場誘致、日立造船工場内の新造船建造復活など不況下での明るい話題もある。こうした背景のなかで元気をなくしている土生港周辺の商店街活性化の取り組みとしてウォーターフロントを生かした多目的ホール、テナントを有する駐車場の建設など、農業、商業、工業とバランスのとれた島の活性化を図っていく。
2期目は独自のカラーを出して信念を貫きたいと思っている」

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