市技制定5周年記念事業 「王座戦」31日にナティークで 趙治勲に王銘エン九段が挑戦

掲載号 02年10月26日号

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 第50期囲碁王座戦第2局(日本経済新聞社主催、問合せ先・因島市生涯学習課、電話2・6565)は10月31日(木)午前9時から因島市土生町のナティーク城山で行なわれる。

 対局するのは趙治勲王座と挑戦者・王銘エン九段。因島で囲碁7大タイトル対局が催されるのは5回目。対局速報のほか、午後5時からは大盤解説がある。対局者略歴は次のとおり。

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 趙治勲=写真上、昭和31年韓国ソウル市生まれ、37年8月来日。
 43年11歳で入段、56年4月九段。主な成績に55年名人位獲得、以後59年まで五連覇、名誉名人に▽57年鶴聖、十段、本因坊、名人の四冠▽58年、棋聖、名人、本因坊三大タイトル独占▽62年史上初のグランドスラム(公式七大タイトル制覇)を達成▽平成元年本因坊、以降十連覇、二十五世本因坊の称号を受ける▽8年二度目▽10年三巡日の大三冠達成。

 王銘エン=写真下、昭和36年台湾・台北市生まれ。50年11月来日。
 52年入段、平成4年九段。主な成績に平成12年第55期本因坊▽13年防衛。12年度第34回棋道賞「優秀棋士賞」受賞。

 七大タイトル戦は棋聖(読売新聞4200万円)▽名人(朝日新聞3600万円)▽本因坊(毎日新聞3200万円)▽十段(産経新聞1340万円)▽天元(新聞三社連合1300万円)▽王座(日本経済新聞1300万円)▽碁聖(新聞囲碁連盟777万円)

 このうち十段戦と天元戦を除く五大タイトル戦が因島で開催され、プロ棋士をはじめ全国の囲碁愛好者に「囲碁が市技のまち」として知られてきた。

韓国代表 対 中国代表 世界プロ選手権

 韓国を世界の囲碁大国にしたのは趙さんが昭和55年(1980)に名人位を獲得したのがブームの火付け役になったと評価する。その趙さんが因島で昭和58年9月、市政30周年記念事業としてホテル臨海で名人戦を対局した。挑戦者は大竹英雄九段。大盤解説は朝日新聞の龍奇兵さん。聞き手は因島出身のアマ名人、村上文祥さん。ホテルのオーナーは当時会頭の中村茂さんだったが、3人とも故人になられた。

 趙さんはラーメンが好きということから趣向を下調べして宇和部の竹下食堂が腕を振った。そのあと、喫茶「松山」でコーヒーを飲んだが、いずれの店も今はない。

 それから14年ぶりの平成9年5月、本因坊戦(毎日新聞)をナティーク城山で加藤正夫十段と対局した。

 3回目の来因は平成11年2月。棋聖戦(読売新聞)が因島シーサイドホテルで小林光一天元と対局。因島での対局は無敗。今回は4度目で驗(げん)のよい因島連勝記録が注目される。

 挑戦者の王さんは趙王座より5歳下で13年遅れて来日。もともと日本の碁界は外国への門戸を開いてきたが、今回の王座戦は韓国対中国代表の世界プロ選手権というファンもいる。そして二人とも本因坊秀策生誕の地、因島での対局に感謝のメッセージを述べている。

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