尾道市への編入合併迫る 総合支所で対立表面化 簡単には引けない因島側

掲載号 05年10月08日号

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 因島市の尾道市への編入合併が目前に迫ってきていおり、因島総合支所をめぐっての協議が大詰めを迎えている。協議内容はまったく公開されていないが、編入合併による組織スリム化を推進したい尾道市側と、地域の過疎化を懸念し住民サービスの維持を図りたい因島側との対立が表面化しつつある。合併の期日からみて今月下旬が合意のリミットであろうが、成り行きは不透明である。

総合支所は名ばかりか

 尾道市はすでに6課体制を提案していると言われている。現在、因島市役所は21課、2室、49係体制であるからすさまじい組織リストラである。

 残される課は窓口業務や市民生活に密着した部門であろうから、容易に想像できる。税務課、市民課、福祉事務所、生活環境課、水道課の5つが規模を縮小して残るだろう。残り一つ尾道市側が何を提案しているのかはっきりしない。

 さらに総合支所長の権限の拡大という要望もあるが、向島町、御調町と同様、尾道市の部長が任命されるとしたらほとんど意味のない議論になる。

 このままでは、「総合支所も支所も変わりはしない。総合支所というものの名ばかりではないか」という市民の不安が的中すことになる。

9課体制が因島側の主張

 因島市議会9月定例会で村上和弘市長は、議員の質問に対して、「9課体制で職員200人以上」を尾道市長に主張すると答弁した。9課の具体的内容は明らかにされなかった。しかし、この主張を尾道市側が受け入れるとは思えない。

 総合支所の組織と機能がどのようになるか、因島市民の関心は高い。これだけは譲るべきではないとの意見が強い。それは、尾道合併=総合支所問題と理解されているからだ。
これは住民サービスの問題にとどまらない因島地域の経済問題だと指摘する人もいる。例えば総合支所の物品購入問題一つとっても深刻である。

 合併に先駆けた消防統合の時に、尾道市の会計規則に縛られて因島消防署が因島の業者から物品が購入できなくなった。

 その例からみて総合支所の物品購入は大問題にならざるをえない。因島が市として存在することの経済効果は大きい。しかし合併後はそれがなくなり、その上に尾道市の契約規則と会計規則にしばられ、地元業者優先での物品購入は不可能になるとみられている。

資料―因島市課体制

企画財政課▽合併推進室▽総務課▽税務課▽市民課▽人権推進課▽児童課▽健康対策課▽福祉事務所▽生活環境課▽農林水産課▽しまおこし課▽監理課▽建設課▽収入役室▽水道課▽議会事務局▽監査委員事務局▽農業委員会事務局▽選挙管理委員会事務局▽教育委員会・庶務課▽同学校教育課▽同生涯学習課

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