ネパールの教育支援行う 広島・岡山の里親の会 現地の子どもたちを訪問

掲載号 05年09月03日号

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 ネパールに学校建設などの教育支援を行っている国際ボランティア団体であるHIKIVA(ヒキバ)と日本・ネパール里親の会(広島・岡山エリア)のメンバーである西本嘉弘さん(中庄在住)ら6人は5月、2週間にわたってネパールを訪問した。訪問目的は、学校の増築工事完成式への出席と24人の支援生徒たちの家庭訪問である。


記念植樹する西本さんら関係者

校舎増築完成祝う

 世羅町の稲田君子さんの寄付によって、チトワン郡スナチャリー村にあるスリーラストリ校の増築工事が完成し、5月23日に落成式が行われた。これはご主人の故正三さんの遺志を引き継いだもので、12教室のある2階建ての建物である。昨年2月建設開始から1年3カ月をかけて完成した。訪問団は稲田さんの代理で、学校に時計と地球儀2個など、全校生徒にノートボールペン500セットを送った。さらに、記念植樹をした。


完成した新校舎の玄関と教室

24の家庭を訪問

 西本嘉弘さんらは、広島・岡山エリアの里親の会が支援している24人の子どもたちの家庭を訪問し、子どもたちの成長ぶりを確かめたり、里親からことづかった手紙とプレゼントを手渡した。ネパールの国内情勢は不安定で里親にとっても気懸りである。西本さんの話では、「子どもたちは動揺することなく、勉強のために目を輝かしてがんばっている」という。

チャニ先生の近況

 西本さんにとってもう一つの楽しみは、自宅にホームステイし因北中学校で教育実地研修を受けたチャニ先生との再会。先生は昨年結婚し、現在1児の母。帰国後も親密な交流がつづき、結婚披露宴にも招待された。自宅を訪れ再会を喜んだ。

日本・ネパール里親の会の活動

 ネパールへの人道支援活動は世界的に様々な方法で行われている。ヒキバや日本・ネパール里親の会は、教育への支援に力を注いでいる。ネパールでは小学校と中学校が義務教育であるが、経済的理由などで、すべての子どもが通学できているわけではない。識字率も50パーセントにも達していない。しかし、子どもたちの学習意欲は旺盛でみんな学校に行きたがっている。

 こうした現状に支援の手を差し伸べようと、ヒキバの教育支援活動が1990年から始まった。そしてこの目的達成のために結成されたのが、日本・ネパール里親の会である。この会のメンバーは、恵まれない子どもたちの里親となり、義務教育の終了まで奨学支援をつづける。必要なら高校や大学までの支援を行う。現在、広島・岡山エリアで支援を行っている子どもは24人。因島市にも里親は10人いる。


里親活動をつづける西本夫妻

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