合併のお荷物 一億円の「大阿武船」因島市検討委初会合
掲載号 05年08月20日号
前の記事: “本因坊秀策生家復元 建設基本計画策定委 倉敷・大山名人記念館視察”
次の記事: “衆院解散夏の陣ヒートアップ 亀井静香後援会因島事務所開き 国民新党結成で立場を鮮明に-”
中世の村上水軍のロマンを求め全国にPRしようと因島市が日本宝くじ協会から1億円の助成を受け復元した水軍旗艦船「大阿武船(おおあたけふね)」が建造以来、ほとんど活用されず内海造船田熊工場に保管されたまま野ざらしになって老朽化している。このため市は17日、活用方法を探る検討委員会をたちあげて初会合を開き、委員長に宮地正助役を選び地元観光協会や文化財協会などから6人の委員が出席、これまでの経過、説明を受けた。
現在、大阿武船は設計建造した造船所に年間保管委託金300万円を支払っているが自力で航行できない海洋建造物のため水軍まつり協賛事業に活用するにも経費のねん出に問題がある。大浜町のアメニティ公園に陸上展示する案は2~300万円かかる。インターネットで引き取り先を公募したが「タダでもいらぬ」という結果が出た。
こうした経過などをもとに委員会で意見交換が行われたが、ユニバーサル造船因島事業所長、若野晃一委員から「船を他角度からビデオ撮影。コンピューターグラフィック(CG)を加えれば歴史教材になる」と提案。同市中庄町の水軍城周辺に陸揚げ展示案も出た。そのためには周辺整備を一体化しなければ効果がないなど、廃船よりも利活用する提案が出た。
このほか、老朽化防止や補修問題など専門的な意見が出た。同委は次回、内海造船田熊工場に保管されている船体の現地調査、移転候補地など視察する予定。いずれにしても尾道市との合併をにらんで作業を進める。写真は利活用が模索される大阿武船。
トラックバック