鉄は熱いうちに打て!! Strike while the iron is hot. 小中高生の囲碁少年たち 秀策生誕の地で花開く

掲載号 05年08月06日号

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 今回の秀策囲碁まつりは本因坊秀策杯での中学3年プロ棋士村川大介三段の優勝6段以上戦、2段戦での中学生の優勝で盛り上がった。


左から、2段戦優勝箱崎君(中3)、村上和弘因島市長、6段戦優勝多田君(中2)

 6段以上戦で優勝したのは、岡山市立中山(ちゅうざん)中学校2年の多田遼太郎君。多田君は、6段以上戦に優勝し来年1月の本因坊秀策杯に出場資格を得たが、「出場します」ときっぱり。楽しみだ。地元三庄中学校3年の箱崎龍馬君は今年1月の初段戦につづいて、今回2段戦に優勝。優勝の知らせに思わず「やったー」とガッツポーズ。

【観戦記】

 51回目の本因坊秀策囲碁まつりを迎えた因島会場は、これまでになく小中高生の参加者が目立っていた。ひと口にいえば「ヒカルの碁」の影響といえば一時的ブームのように聞こえるが、その裾野は広い。ブームの先取りをしたのが囲碁を「市技」に定めた因島市の取り組みで、小中高生徒や女性への普及活動に力を注いだ。そうした環境の中で、岡野亮太君6段(田熊・大阪商大)や峯松昌彦君5段(重井・弓削高専)などの才能が発掘され県代表を輩出した。

 今回は、アマ6段以上の部と2段戦で全国から参戦した強豪の中から勝ち抜いて中学生が優勝するという快挙があった。プロゴルフの世界も10代の女性進出が注目されているが、これまで「囲碁は年寄りの娯楽」といわれていた時代は変ってきたようだ。

 今夏の秀策杯(賞金百万円)を獲得したのは中学3年生のプロ棋士村川大介三段(14)=関西棋院。Tシャツからスーツに着替えて対局場に着座した中3プロ少年。石田篤司九段(36)=日本棋院=相手に「沈着黙考」のポーカーフェイス。「勝負士の素質、雰囲気を備えている」というつぶやきが観戦会場から流れた。劣勢の碁を中盤から寄せに入ったところで挽回、終わって見れば2目半勝ち。賞金はどうしますか―という問いに「貯金にでも」と屈託ない。全国的に有名になってきた因島囲碁まつり秀策杯は若者の登龍門になってきたように思える。

 一回戦で敗退した因島代表、岡野亮太6段の公開対局観戦評は、考える局面と即応する時間配分、ふりかわりのかけ引きが14歳の少年とは思えなかった―と関心するばかりだった。


岡野亮太6段

(村上幹郎)

6段以上戦
多田遼太郎(岡山市)
服部清彦(大阪市)
嶋村修志(岡山市)

5段戦
柴田教市(宇和島市)
江原商志(笠岡市)
西原時安(尾道市)

4段戦
榊原啓士(笠岡市)
竹田芳昭(尾道市)
服部能子(大阪市)

3段戦
青木利文(広島市)
中西敏行(岡山県)
内田聡(福山市)

2段戦
箱崎龍馬(因島市)
宮本晏裕(上島町)
神園敦之(福山市)

初段戦
横上紀久雄(福山市)
中原正俊(倉敷市)
中村光利(因島市)

級位戦
金子功(尾道市)
渡辺秀城(尾道市)
杉野原克利(同)

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