何故 郵政民営化に反対するか ハゲタカに狙われる350兆円 自民党地元青年研修会で語る 亀井静香元政調会長

掲載号 05年07月16日号

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 自民党広島県第六選挙区支部(亀井静香支部長)青年研修会は豪雨の9・10日、福山市常石町ベラビスタ境が浜で開かれ、約450人の党員青年部の参加者を前に亀井代議士と政治評論家森田実氏が小泉政権を真っ向から批判、「郵政民営化関連法案採決をめぐり秋には新しい政権が生まれる」と、日本がおかれている国内外の情勢について講演した。

 空路を急きょ新幹線に切り替えたため定刻の午後4時を10分ほど遅れて到着した亀井、森田の両講師。笑顔をふりまきながら「おそくなってすみません」と、何度も頭を下げる仕草に人となりが好感度を高める。

個展の二枚の絵 赤富士とサクラ

 まず、第六選挙区支部長として挨拶に立った亀井氏は「地元の皆さんのおかげで代議士25年の表彰を受けたが良い日本になっていない。これは私を始め政治家の責任。”功なき”を恥ず。残された人生の生きざまでお返ししたい」と、心境を述べた。さらに、普段はあまり語らない趣味の油絵の個展についてふれ、二枚の絵に戦闘宣言した心境をあからさまにした。

 その一枚は富士山。「日本の夜明け」を塗抹した。もう一枚は、源義経の心をゆさぶった吉野山の千本桜。俳画や中国の絵には詩など文字が書かれるが洋画(油絵)では日本初の文字を入れた。「何故に心ひかるる桜花。咲くを惜しまず。散るを惜しまず」―一見、武骨に見える亀井さんだが、政治家としての引き際の美学をそっと、ちらつかせた思いを感じさせた。

 あいさつのあとは、亀井節の時局講演。郵政民営化は、なぜ反対なのか―。郵便、郵便貯金、簡易保険の三事業一体の経営、郵便局ネットワークの維持になってない。広島県内でも、間違いなく郵便局の数が大きく減ってしまう。お年寄りにとっては身近な農協や郵便局などの金融機関が失われてしまう。

ハゲタカの餌食になる郵保貯金

 さらに重大な問題がフタをされている。郵貯、簡保合わせて350兆円の資金が、米国の金融資本に取られてしまう。これまで、その資金で道路など必要な生活基盤を造り、国債も引き受けている。それが一挙になくなれば日本社会は大変なことになる、アメリカのハゲタカは、小泉さんに早く民営化しろと催促、好機到来を待ち望んでいる。「お年寄りをいじめて国を売る政策だ」と手厳しい。

 郵政を2年前に公社にしたのは小泉首相自身。法律に定めた見直しは4年後のはずだった。あと2年間で公社の努力を見極めて改革するのが筋。衆院では5票差だったが参院はノックアウトできる。

解散筋違いで首相罷免が筋

 だから法案採決は参院で、否決、廃案になれば参院は解散できないが衆院は解散できる。そのあげく反対派は公認しないとおどしをかける。「こんな乱暴な話がありますか。小泉執行部はまさに半狂乱状態だ。こんな無茶苦茶は、民主主義じゃない」

 自民党も公明党も解散に反対で、参院で否決された敗軍の総理が、ひとりぽっちで解散権行使なんてできっこない。衆院の採決前も解散をちらつかせたが、サミット前に解散なんてありえないと思っていた。

 参院では、否決か継続審議もあり得るかもしれないが、小泉政権はこれで終わりだ。参院は解散できないので自民党議員の造反を防ぐのは”金”しかない。そんなことで日本をダメにしてはいけない。衆院を解散するのでなく、小泉総理を罷免して新しい政権をつくる。亀井静香は、いま正念場に立たされています。私は爆発します。そして、秋には新しい政権を誕生させます―と結んだ。

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