因島市議会定例会 村上和弘市長が合併へ新年度施政方針演説

掲載号 05年03月05日号

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 村上和弘因島市長は2日3月定例会本会議で新年度一般施政方針と予算編成方針演説を行ない、3日から3日間の予定で、各会派・政党代表の総体質問が始まった。総体質問の日程は、

3日=長田丕(市政クラブ)、田頭弘美(新生クラブ)、楠見公史(再生クラブ)。
4日=青木亮介(民主党)村上富男(自由民主党)。
7日=大崎金吾(社民党)清水通秀(公明党)、岡野長寿(日本共産党)。

 村上市長の演説は、尾道市との合併に道筋をつけることに重点をおいた市政方針演説になった。冒頭、「本年は、尾道市との合併による新しいまちづくりにむけた取り組みが大きなテーマである」と明言し、自治体の枠組みは変っても、人とまちが生きいきと輝く「島のまち」として、また、瀬戸内しまなみ海道や芸予諸島の交流・生活拠点として発展しつづけたいとした。演説要旨は次の通り。

 因島市の社会経済状況は依然として厳しい局面がつづいているが、造船関連の受注が堅調に推移し、企業部門の改善の動きは徐々に明るい兆しも見えている。

 しかし、因島市の財政状況は、歳入では法人市民税等に持ち直しの動きが見られるものの極めて厳しい状況にある。このため、「第2次因島市行政改革大綱」及び「因島市行財政改革推進計画」に基づき、従来にも増して行財政改革に取り組む。

 17年度の予算編成は、国の動向や地方財政対策をふまえ、歳入に見合った歳出を基本とし、効果、必要性後年度負担等を精査するとともに、市債残高の抑制にも留意するなかで、事務事業の厳しい選択に取り組んできた。

5つの重点施策

 主要な施策の第一は、暮しと環境を守る「安全・安心循環都市」づくり。災害に強い安全で安心できるまちづくりの推進。

 第二は、もてなしと文化を醸し出す「しまなみ交流都市」づくり。地域と一体となったもてなしの心や雰囲気づくりとともに、新たな文化や舞台づくりの醸成を図り、にぎわいと活力ある交流都市づくり。

 第三は、資源と技術を紡ぎ出す「次世代産業都市」づくり。因島市の産業資源を活かし、農林水産業や商工業など、各種産業の育成・振興の努力。

 第四は、やすらぎと生きがいを育む「生涯現役都市」づくり。保健・医療をはじめ地域福祉や高齢者福祉などの充実に努め、誰もが肉体的にも精神的にも生きいきと暮らせる環境づくりを推進する。
第五は、情熱と知恵を生みだす「人材育成都市」づくり。基礎的・基本的な学力を養い、「生きる力」の育成をめざした学校教育の充実を図るとともに、様々な生涯教育を推進するなど公教育の環境整備の努力。

総体質問

長田丕議員=「合併に向けて行政と市民の一体化のための方策はあるか」。

市長=「再度の住民説明会を実施するとともに、合併協議会だより、広報、ホームページで情報提供に努め、行政推進員の活用を図りながら、行政と市民の一体感の醸成に向けて取り組んでいく」。

田頭弘美議員=「新市建設計画には法的な拘束力があるか。それとも紳士協定なのか。」

市長=「法定協議会において協議し、協定が結ばれたものである。新市の責任において実行されるべきものと考える」。

楠見公史議員=「生活に密着する問題は合併前の本年度中に実現すべき。例えば過疎対策として、三浦線―中庄―土生―三庄を循環するバス路線を事業者に要望すべきではないか」。

市長=「少子高齢化のなかで重要になっている交通弱者対策のために検討したい」。
(次号に続く)

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