傍目八目

掲載号 04年12月18日号

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 アメとムチの平成の大合併。合併先が二転三転したあげく土壇場になるとGOサインを出さない瀬戸田町議会。対等合併を目指した三原圏は合併協議会参加の予算を1票差で否決。住民投票による因島市の対等合併協を設立したものの途中離脱。あげくの果て尾道圏の編入合併へホコ先を変えての町長選挙の結果、助役の人事権に介入して政治空白をつくるという羊頭狗肉の策。客観的に見れば合併反対の意志表示にしかとれない。

 新設合併も編入合併でも大きな違いはない。それが単独町制を維持するというのなら問題が違ってくる。一般企業でも大学でも多くのプラス効果を望んで合併する。しかし市町村の場合、行政改革と住民にとってのサービス、メリットは異なってくる。合併後直ちにメリットと考えられるのは国の財政支援だけかもしれない。「バスに乗り遅れるな」と焦るのはよくわかるが、前向きな将来構想を抜きにして合併を政争の具にするのは住民にとって不幸な結果を招くことになろう。

(村上幹郎)

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