因島市議会定例会 合併問題に質疑集中
掲載号 04年12月18日号
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12月因島市議会定例会において13日から15日、10議員が一般質問を行った。(敬称略)
青木亮介(民主党・大浜)
防災・安全に関連して、合併特例債を活用し防災無線の設置ができないかと質問。市長は、防災無線の設置の必要性を痛感しており、合併協議で強く要請したいと述べた。
大出金三(無所属・重井)
介護施設の建設を重視した質問。進行する中庄町の「老健あおかげ」隣接地での特養建設について非常識極まりないとした。市長は、老健施設に隣接し、運営効率などもよく、法人の希望する場所であり、市の財政負担の少ない老健施設内での建設計画になったとした。
岡野孝志(市政クラブ・田熊)
合併協議における新市建設計画の最優先事項は何かとただした。この点については、他の複数の議員も質問。市長は、三庄向浜住宅、因南中学校、田熊老人集会所、三庄消防屯所、東生口福祉施設、アメニティ公園整備。さらに、水軍、囲碁を生かした交流造船技術伝承、中心市街地活性化などを提示した。
村上泰通(民主党・重井)
フラワーセンター対策と関連して、県道拡幅の現状について質問。市長は鉄工団地からフラワーセンターまでの道路整備について、県営地方特定道路事業として進めており、重井中の未整備部分をふくめ、平成年度を目標としていると答弁。
大崎金吾(社民党・田熊)
尾道市との合併について、その是非を問う努力が必要ではないかとただした。市長は、合併協議会に新市建設計画が提案されたら住民説明会を検討するとしたが、合併の是非については12月広報のアンケートで判断するとした。
村上光(再生クラブ・土生)
因島市役所が合併で総合支所なることについて質問。市長は、総合支所は強い機能と権限を持つと説明。さらに、同議員が懸案事項について、合併前に済ませておくべきではないかと質問したことに、市長はかけこみ事業は自制すべきとした。
村上弘二(新生クラブ・田熊)
合併後の新市建設計画に関連して、アメニティプール温水化事業について質問。市長は、尾道市との合併による新市建設計画に盛り込む最も重要な事業であると答弁した。
村上富男(自民党・田熊)
観光行政、合併、教育行政など多岐にわたっての質問。助役が廃船にすると発言した大阿武船の活用はないのかただした。市長は、大阿武船のありかたについて、議員方に説明する機会を設けたいと答えた。
上田栄司(新社会党・中庄)
住民参加型の合併協議になっていないと指摘し、あやまち無き選択を求めた。市長は、市内公民館区7カ所で合併住民説明会を実施したこと、12月広報折込で住民アンケートを実施していることを説明したにとどまった。
岡野長寿(日本共産党・田熊)
対等合併である瀬戸田と違って編入の尾道合併について、どうして合併をせねばならないか、説明責任があることを指摘し、その説明を求めた。市長は尾道合併は、瀬戸田合併の考えの延長線上にあるとしたうえで、住民アンケートの結果を新市建設計画に反映させたいと答弁。
特例債への幻想
一般質問をとおして、行政・議会がいかに合併特例債に過度な期待を寄せているか浮きぼりになった。そもそも特例債といえども借金。その適用も自治体側でなく国が決きめるもの。また特例債がだされるのは尾道市側であって、決定権は因島市を編入する尾道市にある。それを直視しない合併議論ほど市民を混乱させる危険なものはない。
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