因島市議会全協傍聴記 市長突き上げだけで尾道合併の内実出ず

掲載号 04年11月06日号

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 因島市議会は2日、全員協議会を開き、瀬戸田町から尾道市に転換した合併方針について協議した。村上和弘市長は、方針転換の理由を述べたうえで、11月下旬に臨時市議会を開き、尾道市との法定協議会設置議案を提出する考えを示し、「尾道市との合併が成就できないなら辞職する」と答弁した。さらに、瀬戸田町との法定協の解散を表明。11月下旬から開いた住民説明会で「市民から一定の理解を得ることができた」とした。

 これに対して、8人の議員が質問と要望を行なったが、市長の方針転換に関する責任追及や、「尾道との合併を本気でやる気があるのか」などと突き上げに終始し、尾道市との合併の内実は説明されずじまいだった。

 とりわけ、尾道市との合併が編入=吸収合併であることが前提化されてしまいそのことの持つ重大性が問題にされない雰囲気には驚かされる。市同士の編入合併はめずらしく、県内では初めてである。編入合併とは、簡単に言えば尾道市の言いなりになるということ。実際に、亀田良一尾道市長周辺からも「尾道の方針に従ってもらう」との意向が伝わってきている。

 合併特例債にしても、編入を受け入れる側の尾道市に出されるのであって、その意向が最優先される。これまで推進されてきた因島市独自の町づくりもいったんは、ご破算になる。未完成の道路建設、市技の囲碁、中央駐車場を起爆剤にした中心市街地活性化、「造船技能センター」構想、フラワーセンター、高校問題など、みなしかりである。因島市側の意見を反映させるというものの、因島側の議員定数わりあては8人あるいは6人とも言われているのである。

(青木忠)

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