財政危機、避けて通れぬ合併対策 見えぬ地域の将来像に不安つのる 瀬戸田町長解職求め住民決起集会

掲載号 04年09月04日号

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 因島市と瀬戸田町の合併推進に取り組んできた「合併を考える会」の瀬戸田側代表者の水野亨さんと藤田和義さん=写真=が8月27日、柴田大三郎瀬戸田町長の解職請求(リコール)を求め、同町選管に請求代表者証明書の交付申請を行なった。証明書は即日交付され、解職を求める署名活動が始まった。

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 署名活動期間は31日間。26日までに解職請求に必要な有権者数(2日現在、男3806人、女4358人計8164人)の3分の1(2722人)以上の署名を集め、町選管に提出。選管の審査(20日間)と縦覧(7日間)を経て解職本請求。本請求から60日以内に住民投票を実施。投票で過半数の同意が得られれば町長は失職。住民投票から50日以内に町長選挙となる。

 こうした日程から判断すると、住民投票が12月、町長選挙は年明けと予想される。また、柴田町長が9月町議会定例会に提案予定の合併の枠組みを問い直す住民投票を年内に実施すれば、リコール運動と同時進行という異常事態となる。

 水野亨代表らは「住民投票の結果を無視し、合併の方向性も示さず、公正・公明・公平の原則を忘れ、的確な判断力と実行力を失っている」と、合併問題の失政への責任をきびしく追及3日夜、サンプラザ2階駐車場で決起集会を開いた。

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 また、解職請求後、記者会見した柴田町長は、「よっぽどの意見があってこういうこと(リコール請求)になったんだろう」と答えたうえで自ら表明した住民投票実施については、「私の身のふり方を含めて、もう少し整理して判断したい」と語るにとどまった。

 合併特例法の期限の平成17年3月31日まで半年。この期におよんでこじれにこじれた瀬戸田町政。住民投票によって設置された法定協からの一方的な離脱の帰結であり、その責任はあまりにも大きく重い。あらためて、住民の町政混迷打開の選択が問われている。

柴田瀬戸田町長解職請求の要旨

 町政の執行は何より民意を最大限に尊重して、町民の信頼に応えながら、常に町民の付託に対しひた向きに応えることに務め、公正・公明・公平に進めなければなりません。また町政は、町民に不安や不信や不満を与えるもであっては決してなりません自己の政策意思と民意との間に大きな隔たりが出来たときは、潔く速やかに辞職して町民に信を問うのが政治家としての当然のけじめの付け方であり民主主義の常識です。

 目下最大の町政課題である合併問題に関して、昨春の町長選挙で柴田町長は三原広域合併を公約に掲げて当選はされましたが、合併協議会への加入は果せず公約は実行不能となりました。また合併特例法にのっとり昨夏に実施された住民投票で、民意は因島市との合併に賛成多数を示し、町長の政策意思と大きなへだたりが生じました。この二度にわたる決定的な政治決断を迫られた時機において、町長は自ら辞職して町民に信を問うべきでありましたが、それを行いませんでした。

 民意を尊重するとして臨んだ因島市瀬戸田町合併協議会においても、建設的で実質的な協議をすることなく、取るに足りない問題をとりあげわずか5回の開催のみで協議を中断させ、重大な政治的空白を生じさせた責任を少しも反省していません。さらに法定協離脱を表明して民意に背き、信頼を著しくそこね、町政の混迷を深めて、町民の不信と不安と不満をつのらせました。あげくのはては、自説の合併特例法の期限内合併をあきらめ、財政再建義務も放棄して、十七年度の合併は無理なので十八年度の合併をめざすと住民に説明しこれも民意に反するものです。

 町長は、住民投票の結果を無視し、合併の方向性も示さず、公正・公明・公平の原則を忘れ、的確な判断力と実行力を失っています。柴田町長の下で、瀬戸田町に明るい明日はありませんので、長の解職を請求します。

平成16年 8月27日

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