県リサイクル施設等整備補助事業 乾留式油化プラント本格稼動 産廃を油とガスに再生熱利用目指す

掲載号 04年07月17日号

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 島の建設廃材の処理は島内で―と、産業廃棄物の収集運搬と処分、リサイクルに取り組んでいる因島市重井町、(有)吾城=大谷泰一社長=は、県リサイクル施設等設備補助金の交付を受け乾留式油化プラントを建設、今年4月から稼動を開始していたが、経過は上々で本格的操業に入る。

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 同社の設立は昭和62年12月。土木建築業を主にスタートしたが、島内の土木建設業者の悩みの一つだった廃材処理をする産廃処理業の県知事認可を受け収集・運搬・処分業に取り組み、がれき、木くず、コンクリートなどの破砕処理を主に操業してきた。

 今回は、産廃のなかでも最もやっかいな廃油、廃プラスチック類や繊維、ゴムくずなど造船関連工場や農家から出てくる産廃を乾留式油化プラントでダイオキシンを閉じ込めたまま油とガスにリサイクル、熱源にしようという試み。さらには、この処理過程で出る残渣(残ったかす)は分の1前後というから最終処分場の埋め立て地の延命にもこたえられるという一石三鳥のシステム。

作業環境は無臭化装置

 作業施設は同市産業団地内にある(株)加納屋建設敷地内で2300平方メートルに約6億円を投資して昨年8月着工。今春4月、環境保全型複合エンジニアリング業の(株)リプロリサーチ(本社神戸市)のプラント1号機が完成した。

 注目されるのは、リサイクル過程で廃液が排出されず、油やガスから発生する臭気は脱臭装置で無臭化され作業環境を確保するとともに周辺への環境に悪影響もなく順調な滑り出し。

 さらには、乾留式油化施設の乾留釜や破砕機など島内企業が製作した。これまで島内に産廃処理施設が無く島外へ運び出されて出費がかさんでいたのが、やっと島内で処理できるようになり関係企業にとっては明るい話題となっている。

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