日本の大切な文化 小倉百人一首 藤原宣江さん(78)

掲載号 04年06月12日号

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 市文化協会から功労賞を受けたカルタの藤原宣江さん(78)は、受賞者のなかで最年長者。「ひとり暮らしでも淋しくない。みんなに支えられて、楽しくて死にそうにない」と笑顔で語る。

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 大正15年、三原生まれ。大阪で洋裁を習い、広銀に勤めたあと結婚、それ以来田熊町に住みつづける。

 百人一首の活動をはじめたのは昭和57年の57歳の時、カルタの因島みよしの会会長林豊さんに声をかけられたのが縁。綺麗な世界と歴史のロマンに憧れる少女であったという。戦争によってかなわなかった青春の想いがせきを切ったごとくあふれだした。

 「金銭欲でなく生きていく欲ならどんなに持ってもよい」と励ましてくれた、今はなきご主人の言葉が忘れられない。

 田熊町の金山区民館で毎週一回のカルタの会を開き因島みよしの会の活動を継続している。「うつ病が治った」と感謝をよせる婦人もいる。年間4、5回介護者の会のメンバーとカルタを楽しむ。来年は、地域子ども教室推進事業の田熊教室で子どもたちと百人一首をやろうと計画している。

 「あいうえおを知っていたら誰でも遊べるカルタ。日本の大切な文化を見直してほしい」と、後継者の育成にいっそう熱がこもる。57歳を筆頭に3人の息子さんが島外に住む。

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