混迷する因・瀬合併協 2ヵ月も休止状態 柴田町長弁明記者会見

掲載号 04年05月15日号

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 因島市と瀬戸田町の合併法定協議会は、瀬戸田町議会の負担金全額削除と法定協離脱決議によって、中断を余儀なくされ、3月13日の第5回会議以降2カ月間も休止されたまま。こうしたなかで柴田大三郎瀬戸田町長=写真=は12日、記者会見を開き弁明を行った。その要旨は、

【1】瀬戸田側の申し入れに対する村上和弘因島市長の回答は、法定協会長としてのものではなく満足できない
【2】現状のままでは因島側との接触はないし、協議会の再開は難しい
【3】最大の問題は「合併を考える会」であり、住民投票の結果そのものにも疑義を感じる

というもの。つまり、再開できないのは会長としての村上和弘市長の責任であるとした。そこには、会長の補佐役である副会長の立場を放棄した柴田町長の利害代弁者の姿勢としか見てとれない。混迷と中断の原因は、両市町住民の意志の理解に欠け法律をも蹂躙し、法定協を休止状態に落とし入れる決定的な理由があったのだろうか。打開の道は、協議を再開・続行しながら話し合いで解決できた課題であったろう。

民意の反映否定 住民投票を軽視

 法定協は、両市町の行政や議会とも独立した機関で首長から任命された各委員は、会議出席と協議進行を義務づけられている。一方、議会は、法定協の協議を通しての合併協定調印をうけて最終段階で、その是非を議決することになる。

 法定協の規約によれば、会議は、協議会の会長が招集する。また、委員の3分の1以上の者から会議の招集の請求があるときは、これを召集しなければならない。会議は、委員の半数以上の出席があれば開催できる―とある。

 ところが現在、この規約は有名無実と化しており、柴田町長は「因島とは接触しない」とボイコット宣言をしたのだから唖然とせざるを得ない。瀬戸田町の現状は法を遵守する立場の行政も議会も責務を果たしてなく「全国の笑いもの」と指摘する人も多い。

 三原広域の道を断たれた瀬戸田町。いまさら、尾道広域に入れない因島市。住民の不安とがまんは限界に来ている。これに対し柴田町長は、「因島との合併協議打ち切りをしかるべき時期に判断しなければならない」と強気な発言をしながらも次の合併協議の相手についての見通しも定まっていない。

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