土生町住宅火災「罹災者の会」が発足 復旧へ結束呼びかける

掲載号 04年05月08日号

前の記事: “第9回因島自由大学 講師は映画監督千葉茂樹氏
次の記事: “因島史上最大の住宅密集地域大火災 13棟42世帯全焼1人死亡83人が罹災 災害対策本部 連休返上で対応支援

 土生町新生区の集合住宅火災の被災者たち約80人が6日、土生公民館に集まり「罹災(りさい)者の会」をつくった。「今後復旧には幾多の困難に遭遇することがある」として、結束して事態に対処し解決していこうと呼びかけた。会長には金澤末光さん(78)=写真=が選ばれた。住宅の斡旋、廃材の撤去、境界確認など、被災者間の調整や市など外部との交渉の窓口になる。

dc050618.jpg

罹災者の不安

 この日、不安を募らせる被災者たちに村上和弘市長ら市幹部が、市の対応策について説明した。被災者の不安は深刻。まずは、「廃材、瓦礫(がれき)の撤去はいつから始められるのか」。被災者に高齢者が多く、手伝う親族が遠方から来なければならない事情もある。「着の身着のままで焼け出されて、何もない。お金もそこをついてきた」。当座の支払いに困る被災者もいる。さらに、「自分たちの住んでいた場所に、家を建て替えることができるのか」という切実な質問もでた。

dc050602.jpg

市の対応策

 住宅は、希望する18世帯のうち3世帯が市営住宅への入居を済ませた。あと15世帯には見学のうえ決めてもらう。家賃は半年間無料となる。

 廃材撤去については、保健会社の査定終了後。その費用は原則個人負担であるが、「罹災者の会」と協議していきたいとした。

 家屋の建て替えについて現行建築基準法では道路の狭さの点で無理であるが、県との協議をすると説明。

 5月9日には、土生公民館で被災者向けに司法書士による法律相談会がある。また、会場の数人からは「消防署の初期消火が不充分」との批判が出た。それに対して、消防署から時間をおった克明な消火活動の説明があった。火災から日がたてばたつほど、復旧の重荷は被災者の肩にずしりとのしかかる。高齢者が多い今回はなおさらのことだ。

E

トラックバック