虎次郎は行く・上巻 読者の要望で2刷 1300円で発売

掲載号 04年03月20日号

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 郷土因島出生の偉人、碁聖・本因坊秀策伝「虎次郎は行く」著者庚午一生(本名村上幹郎)の上巻が15日再版された。今年2月の下巻発売とともに注文が寄せられ売り切れとなり、読者から再版の要望が殺到してていた。自費出版の作品の再版は極めて稀なことで注目をあつめている。発売価格は、著者の好意で400円値下げされ、1300円になった。

虎次郎は行く 上巻

 上巻の初版発行は平成4年10月10日。秀策の幼児期=虎次郎の時代を描いている。「天才はこうして作られた」という視点から描かれた上巻に、岡野久二同志社女子大元学長は「天才児の才能を引き出そうとする大人と子供の心理を現代教育界に照らし合わそうとする意図が見え隠れしている本格的な小説」と推薦の言葉を寄せている。また、江戸時代の生誕地=外浦をはじめとする因島の有様や、当時の尾道、三原、竹原のシーンが随所に登場し、それにひかれる地元のファンも多い。

秀策をもっと知ってほしい

 著者の庚午一生さんは、いったんは絶版を決めたが「秀策をもっと知ってほしい。因島の市技に定着しつつある囲碁を通じてのまちづくりを後押ししたい」の想いで再版を決心した。また、岩手県一関(いちのせき)市の小学5年生から寄せられた注文の手紙にも心が動かされたという。全国の図書館・資料館からの注文や問い合わせも相次いでいる。東京の国会図書館、広島県立図書館、広島県民文化センターふくやまなどである。

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