不法投棄タイヤ300本 5年、一千万円以下の刑罰

掲載号 02年12月14日号

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 「このままではゴミの島になる」と因島市が、環境保全のために不法投棄物回収事業にのりだした。 最近、三庄町から外浦町にかけての水軍スカイラインをはじめ市内各所への不法投棄物は、目に余るものがある。11月から開始された調査・撤去作業において、240ヵ所から早くも自動車、バイク約台、古タイヤ約300本、大型家電製品等が発見回収されている。

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 この事業は、県の緊急雇用創出事業の一環として因島市(担当部署は健康対策課)が、同市のシルバー人材センターに委託して行なっているもので、来年の3月末までつづけられる。事業は2本立てで、どこに何が捨てられているかの「ごみマップ」をつくり、同時に撤去・分別・処理をおこなう。 しかし、問題は単純でない。行政が税金を使い、不法投棄物を処理すれば、その行為を黙認し、助長することにつながりかねないからだ。

 海に面した急斜面で作業中の処理班=写真=リーダー箱崎勇三さん(64)は、「情けない。こうしたイタチゴッコを断ち切らねば」と嘆く。

 こうした廃棄物の不法投棄は、刑法の「廃棄物処理法」により、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはこれらが併科される。 このほか、因島の最大の財産である自然と景観をどのように守っていくかの住民一人ひとりの自覚の問題でもある。この事業を契機に不法投棄根絶の声の高まりが期待される。

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