東生口小PTAが決議 因島と瀬戸田の合併を

掲載号 02年09月21日号

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 東生口小学校PTA(小田圭三会長)は因島市と瀬戸田町の合併を望む決議を行い、それを意見広告として市と町の住民に配布し、賛同を呼びかけている。合併問題についての住民の側からの意思表示はめずらしく、反響を呼んでいる。

 8月20日に臨時総会を開き決議した同PTAは、直ちにそれを瀬戸田町長と因島市長らに提出。さらに生口島の瀬戸田町、原町、州江町の住民に新聞折込で配布した。
9月新学期早々には、因島の2000人の小中学生を通じて全PTA会員に配られ始めた。

子供たちの将来のために

 決議文にもあるように、東生口の住民は従来から、教育面での違和感を感じつづけてきた。
 東生口小学校の児童は卒業後、瀬戸田町と因島市の組合立生口中学校に進む。ところが同中学校は、スポーツ大会、学習、PTA活動などを豊竹地区(豊田郡と竹原市)の枠で行なってきた。こうした事情で因島市民である原町と州江町の生徒たちが、因島市の学校間の諸行事に参加できず交流が途絶えがちになってきた。

 また同じような現象が、成人式をめぐっておきている。生口中の卒業生の多くは瀬戸田高校に進学する。成人を迎えると東生口の青年たちは、友人のいない因島の成人式に出席するか、それとも友人といっしょに瀬戸田の式に行くか、選択をせまられる。そして瀬戸田の成人式では、「出席はかまわないが、記念品は渡せない」とあつかわれてきた。

 今回の東生口小PTAの決議は、教育の立場から生口島のなかで行政の区割りがある不都合さの改善を、因島・瀬戸田合併に求めている。以下は決議文。

決 議

 私たち東生口小学校PTAは、子どもたちの将来を考えたとき、因島市と瀬戸田町が合併することを望み、次の通りお願いすることを決議しました。

東生口小学校PTAよりのお願い

 皆さんご存知のとおり、東生口では因島市立の小学校を卒業した後に、瀬戸田町と因島市による組合立生口中学校へ進学します。中学校に進学すると瀬戸田町の生徒と交流することになります。それはそれですばらしいことではありますが、因島の市民でありながら因島市の学校間で行われるスポーツ大会、勉強、PTA活動等においては交流がほとんどなくなります。このような環境にあって、因島島内のこどもたちと比べて故郷因島への思いが少し異なってくることは否めません。

 教育の立場から生口島という一つの島に行政の区割りがある事での問題点を、東生口地区は長い間感じてきました。今こそこの区割りを取り除くことができる、50年来のチャンスと考えます。東生口小学校では児童が減少し、今年から一部学年では複式になりましたが、因島市と瀬戸田町が一緒になることで、学校にも子どもたちにも新たな将来展望が開けてきます。こうしたことを考えた時、因島市と瀬戸田町が合併することを心から願っています。

 瀬戸田町の皆さん、因島市の皆さん。私たちの声を聞いてください。考えてください。よろしくお願いします。

 平成14年8月20日因島市立東生口小学校PTA臨時総会にて

青木忠

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