因島市入札透明性確保検討を約束 三庄町幼・保と公民館入札請負工事 談合情報で2ヵ月凍結の契約を可決

掲載号 02年09月07日号

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 因島市は2日、臨時市会を開き、談合情報で契約を2ヵ月凍結して裏付け調査した三庄町幼・保(幼稚園と保育所)合築施設と公民館建設請負工事入札について「談合の事実はない」と結論。議会の承認を求めた。

 しかし、反対派の執拗な追究は談合疑惑から指名競争入札制度のあり方に論議が展開された。市は業者の談合などを防ぐ目的の一つとして一千万円以上の工事について予定価格を事前公表することや入札業者の工事積算書の提出、一般公募指名競争入札など検討。透明性確保に向け10月1日までに規則、条例作成に取り組むことを約束して質疑を打ち切り、討論・採決に漕ぎつけた。

幼・保施設 賛成11反対9

 市が提案したのは幼・保合築施設請負契約2億9400万円と公民館2億8200万円。行政としてこれ以上の調査はできなく、あとは公取委と司法にゆだねるしかない。なによりも来年4月には両施設を開設したい。さらに補助金の問題や工期が2ヵ月も遅れているので来年2月末完成に不安がある。幼・保施設は三庄小学校内の工事で8月の夏休み期間に基礎工事は進める予定だった。こうした事情などもあげ契約締結に理解を求めた。

 これに対し、金山吉隆氏や村上博徳氏は談合疑惑を追究、「疑わしきは執行せず」と行政の責任を詰め寄った。さらに岡野長寿氏は入札のやり直しを主張した。

 質疑打ち切りで賛成討論は吉田尚徳氏と村上泰通氏が立ち、反対討論は岡野長寿氏と長田?氏。採決は金山氏の動議が認められ無記名投票の結果、賛成11、反対9で可決された。

公民館可否同数 議長採決で可決

 公民館については村上弘二氏が、経費節減や実施計画などで「我々の意見が入れられていない」と反発。岡野氏も反対討論した。賛成討論には楠見公史氏村上光氏、大崎金吾氏が立った。

 無記名投票の結果は賛成10、反対10の可否同数。巻幡伸一議長が賛成の立場を示したためやっとの思いで可決に漕ぎつけた。

 指名公共入札にまつわる「談合防止」は永遠のテーマともいえる。公取の言う独占禁止法や司法で取り締まる贈収賄に抵触すれば白黒をつけられるが建設業者間の話し合いの内容がどこで線引きされるか判別がつけにくい。今回の談合情報はJV(共同企業体)を組む段階で「談合」があったという通報だが、各企業が話し合わないとJVが組めないので談合証拠はつかみにくい。だが、疑惑が皆無だったとも言い切れなく後味の悪い幕切れとなった。

三庄公民館と幼・保施設 10日建設現場で起工式

 因島市は10日午前9時から三庄公民館新築工事起工式を、同10時30分から保育所と幼稚園の合築施設新築工事の起工式を行う。

 二つの施設は県道拡幅工事により移転が決まり、公民館は三庄中学敷地内へ、保育所は三庄幼稚園を解体して同じ建物に併設される。

 今年度事業で計画され、3月に予算化。6月定例市会で請負業者との契約を締結する予定が指名入札業者の中から談合情報が議会へFAXされたことから本契約がストップされていた。2ヵ月遅れての着工で工期は来年2月末。4月開設の予定。

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