因島高校の発展を祈念して

因島高校前校長 桶東愛生

 私は、今年の3月末日を以って、因島高校校長を定年退職いたしました。私の38年間の教職生活の最後の四年間を「新しい因島高校」を草創していく時期に勤務させていただきました。

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 私は、小早川水軍の本拠地である三原の沼田で、生まれ育ちました。また、私の「愛生」と言う名前は、村上水軍の氏神である大三島の大山祇神社によって命名していただいたものであります。小早川水軍と因島村上水軍とは、歴史上有名な厳島合戦以前から親交があつたと聞いております。このような歴史的経緯のある因島の高校へ勤務することが出来ましたことは、何か深い因縁を感じます。新装となつた重井の新校舎の校長室から、西方の海の彼方に、大三島を望むことが出来ます。在職中、重井の校長室から、朝夕毎日、我が命名の氏神でもある大三島の大山祇の大神に、新因島高校の発展を祈念して遥拝しておりました。

 着任当時、広島県の文部省是正指導を受けながら、一方では教育改革を推進しなければならないという激動の時期でありました。新因島高校は、最初の3年間は、実態として、全日制課程の土生校舎と重井校舎、定時制課程という「3つの学校」がありました。3つの学校を掛け持ちした上に、学校統合、校舎移転、校舎建設という本校独自の課題がありましたので、私は「広島県内で最も忙しい校長 を自認しておりました。

 そんな時期の平成12年11月、本校の活性化を図るため、本校同窓会やPTA、因島市P連をはじめ多くの市民の皆様方が結集されて、「因島高校を支援する会」を設立していただきました。この「支援する会」による物心両面のご協力により「サテライン学習」、「オーストラリア語学研修」、「特別進学クラスの設置」、「土曜補修」 等を実現していくことができました。これひとえに、多くの同窓生や、市民の皆さんのお陰であると感謝いたしております。

 学校統合という大切な時期に勤務させていただきながら、十分なことができなかつたことをお詫びしつつ、新進気鋭の松林新校長下で、本校が益々発展することを祈念いたしております。

因島高校同窓会報4号(2003年)より

掲載日 : 2003年08月01日 E

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