急速な地球環境の悪化 関心高まる太陽光発電 家庭で電気つくる時代

掲載号 06年06月03日号

前の記事: “イトさんが蘇る 土生町で記念展
次の記事: “幼・小・中一貫の「因南学園」市教委が21年度設置方針を決定 土生・三庄・田熊の3小も閉校へ

 環境汚染や温暖化など地球環境の悪化が急速に進むなかで、クリーンで無尽蔵な新エネルギー源として太陽光発電への関心が高まっている。

 すでに学校・教育施設、公共施設、民間・産業施設医療・福祉施設などで設置が進み、家庭への導入も増加している。とりわけ雨の少ない瀬戸内海において、その特性が生かせる設備として注目を浴びている。

 そうしたなかで、シャープ住宅用太陽光発電システム・サンビスタ特約店である内海エンジニアリング株式会社(巻幡強社長、尾道市瀬戸田町沢TEL0845-27-3457)は、6年前の平成12年から他に先がけて、因島・瀬戸田地域で家庭用太陽光発電の普及と設置をつづけてきた。

 その事業コンセプト(発想)は、「地球のため、次世代の子供たちに私たちができることを考えて、家庭で電気をつくる暮らしをはじめてみませんか」というものである。

20060528213135.jpg

 太陽光発電は次のように説明されている。シリコン半導体などに太陽光が当たると電気が発生する原理を利用し、シリコン半導体でつくられた太陽電池によって、太陽エネルギーを電気に変換する。

 太陽光エネルギーは地表に到達する時、1平方メートル当たり1キロワット程度となる。地球全体に降り注ぐ太陽光を100%エネルギーに変換できるなら、世界の年間消費エネルギーをわずか1時間でまかなうことができる無限に近いエネルギーといえる。太陽光は無尽蔵であり、太陽光発電は大気汚染物質や騒音を発生しない設備として、地球環境保護のために活用されることに大きな期待が寄せられている。

 こうした期待の背景には地球温暖化などの地球環境の急速な悪化とエネルギー資源の枯渇がある。温暖化により2100年までに平均気温が最大6度、海面も最大88センチ上昇すると言われている。その要因は石油などの化石燃料の大量消費とされる。エネルギー資源の枯渇も深刻で、現在のペースでいくと、石油が約40年、天然ガスも約60年で枯渇してしまうと予測されている。

 4.2キロワットの太陽光発電システムを設置すると、年間予測発電電力量は約4352キロワット時となる。これは18リットルポリタンク約59本分の石油消費削減量になり、二酸化炭素排出量ではスギの木約229本分の吸収量に相当するという。

節電により設置費用捻出

 太陽光発電の暮らしは地球環境にも、家計にもよいとされる。日中、少し割高になる電気は太陽光発電がカバーし、太陽光発電で余った分は電力会社に売り、夜間の安い電気をうまく利用する。問題となる装置設置費用も節電により捻出できるということになる。

 内海エンジニアリング(株)のデータによると、設置したある家庭で次のような結果がでた。

 設置前は、光熱費(電気都市ガス)が年間43万3265円。設置後はオール電化とした結果、光熱費は電気代のみとなり、年間25万3792円となった。その結果、年間25万9473円の大幅削減となった。月平均に直すと2万1623円の削減である。

 この減った光熱費を設備費の償却に当てたとすると「ソーラーローン」(平成18年5月、15年間の均等払いの場合で金利3.5%)を利用して約300万円の借入が可能になる。

太陽光発電設置宅(因島重井町)

E

トラックバック