【傍目八目】 しまなみ海道全通によせて

掲載号 06年04月15日号

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 広島県と愛媛県を島づたいに結ぶ西瀬戸自動車道「しまなみ海道」が5月連休前にやっと完全開通する。小島を含め9島10橋は巨大で美しい橋がつらなり沿線の多島美を背景に四季折々の風情をかもしだす。

 1999年5月1日、生口島と大島の陸上部分を未開通のまま一般国道と連結して暫定供用開始した。島の住民にとっては日常生活に影響を生じた。が、むしろ入り込み観光客が増加して活性化、ひそかに歓迎していた裏面もあった。

 だが、架橋ブームは一過性に終わりピーク時に3000万人の観光客を飲み込んだ瀬戸田町も昨年度は70万人台に落ち込んだ。船旅から車社会への変化で港から耕三寺に至る「しおまち商店街」も平日は閑古鳥が鳴いている。同商店街の鹿田恭一理事長は「これからが正念場で生き残りをかけた次の一手を模索中だが妙案が出てこない」という。総事業費7300億円を投じた「しまなみ海道」だが、このままでは島々が橋げたに押しつぶされるのでは―と恨み節も囁かれている。

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