高校の夏休み様変わり 8月下旬に2学期開始 休暇短縮で授業時間を確保

掲載号 05年08月27日号

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 今日、高等学校の夏休みが様変わりしている。7月21日ころに夏休みが始まり9月1日に2学期を迎えるという常識が大きく覆されている。できるだけ、夏休みの開始を遅らせ2学期の開始を早め、授業時間確保のための努力に各校とも懸命である。

 この傾向は全国・全県的なもので、因島高校は7月21日から始まり8月25日が始業式。瀬戸田高校は7月23日に始まり、8月22日が始業式となった。

因島高校

 因島高校・全日制(松林博文校長、356人)の始業式は25日。昨年から25日に変わった。今年は始業式を芸術鑑賞授業と合体し、因島市民会館大ホールで行った=写真=。午前9時から50分間で始業式。10時から正午まで広島県出身の将棋プロ棋士で29歳の若さで生涯をおえた村山聖A級8段をモデルにした「聖の青春」(劇団コーロ)を鑑賞した。松林博文校長は、「行事を切り捨てれば授業時間の確保は簡単だが、行事を大切にしながら授業時間の確保に努めたい」と語る。

瀬戸田高校

 瀬戸田高校(林春幸校長181人)は夏休み開始を2日遅らせ23日、始業式を8月22日にした。昨年は23日だった。瀬戸田高校はキャリア教育、道徳教育の文部科学省指定校。林春幸校長は授業時間確保のための努力について、「知・徳・体の一体化した教育推進の条件確保の一部分である。教職員の質的向上を通じて、その中身づくりをはかりたい」と語った。

慢性化した授業時間不足

 夏休みの短縮傾向の背景にあるものは、高等学校の授業時間不足の慢性化であるといわれている。もともと文部省は1年間1単位35時間を指定していたが、実際は31~32時間という状態もあった。例えば行事、個人懇談、災害による休校などで不足した授業時間数が回復されない状態であった。こうしたうえに隔週土曜休みと、つづいて週5日制が導入され、授業時間不足に拍車がかかった。しかもそれが、基礎学力の低下につながったとされた。

 そこで本来の授業時間の確保のためにとられた処置が、夏休みの短縮と7時間目授業の導入である。この成果は学力面において確実に上がっているという。

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