因島市議会が尾道合併を議決 新年度当初予算案を可決 4月市議選の準備に突入

掲載号 05年03月19日号

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 因島市議会定例会は18日、平成17年度当初予算案を可決、つづいて、「尾道市及び因島市の廃置分合について」など合併関連3議案を賛成多数で可決した。22日に予定されている尾道市議会での議決をうけて、3月末に広島県知事への申請を行う。定例議会の閉会をもって4月17日告示、24日投開票の市議選は実質上の火ぶたをきった。

 3月定例会は、尾道市との合併の議決、合併に向けた新年度予算案審議という歴史を画する議会であるにもかかわらず、無難な無気力な質疑に終始した。とりわけ、実質2カ月の協議期間しかなかった尾道市との編入合併について、ほとんど異議なしで議決にいたった。

 行政側は、合併のデメリットが市民に明らかになること自体を、合併が壊れると恐れた。合併問題に言及することがまるでタブー視され、議会を沈黙が支配した。合併についてのデメリットを指摘する意見も一部議員から出されたが、封じ込められた。選挙前とは言うもののあまりにもひどすぎるとの失望の声が聞かれる。尾道市との合併はいまだ大枠が決った段階であり、具体的な協議はこれからである。市民の生活に直結する問題はこれから続出してくる。にもかかわらず、行政や議会には合併問題についての秘密主義が重要視されている。

 新年度予算についても不満が残る。今回の予算審議の基本は、合併持参金を確保した残り物予算の是非にあった。しかし、指摘があるものの真剣な議論には進まないままであった。市民にがまんさせたうえで生れた預金を意味する21億5000万円の基金を、市民のために使わないで持参金として尾道へもって行くという予算編成についても市民にまったく説明がされない。投資的経費が65.4%大幅増というものの、それは昨年度があまりに少なかったことにもよる。ほとんどの事業を合併後に持ち越した身売り的な他力本願予算案という評価が強い。

お手盛りで推進員条例可決

 市民から不信と怒りで迎えられた行政推進員と参与の設置が賛成多数で決まった。これは、議会とは別に議会の二重化さえ意味する行政推進員制度を、助役と別に参与を、しかも15万5000円以内の月額報酬で設けるというもの。議会制民主主義の観点から見れば、議会の否定との批判をまぬがれないが、「これで議員の仕事も楽になる」という意見さえ議員から聞こえてくるのは理解に苦しむ。議会の自殺行為であろう。

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