島に生きる【49】因・瀬合併と東生口 強い瀬戸田との合併志向

掲載号 03年10月18日号

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 8月の因島市と瀬戸田町の法定協設置を決めた住民投票を振り返ってみると、瀬戸田町側81.9%の高投票率と因島市側42.7%の低投票率が対照的である。そのなかで際立っているのは、洲江町、原町の東生口地域72.2%の投票率である。両町あわせて1451人の有権者数のうち1048人が投票した。また、両町の関係者の話では、その大半が賛成側だったという。

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 こうして見ると、今回の住民投票を住民投票ならしめた大きな推進力は、瀬戸田町とともに東生口をあわせた生口島側にあったと言うことができる。

 洲江と原の町民は、因島市と瀬戸田町の合併に極めて積極的である。「瀬戸田と一緒になることに抵抗感はない」と語る町民は多いい。2年前に洲江町で合併についての集まりをしたところ、「因島市から脱退して、瀬戸田に行こう」という意見さえ多数でた。

 瀬戸田側が三原を志向し因島市民のなかでも合併議論がほとんどなされないなか、平成14年8月、東生口小学校PTAは、因島市と瀬戸田町との合併を望む決議をあげ、公然と意志表示を行なった。

 そのなかで、保護者たちは「教育の立場から生口島という一つの島に行政の区割りがある事での問題点を東生口地区は長い間感じてきました。今こそこの区割りを取り除くことができる50年来のチャンスと考えます」と、その想いを告げている。

 そして注目すべきことは東生口地区の合併についての立場を、因島市と瀬戸田町の両方に呼びかけていることである。ここにこそ東生口地区住民の意地と独自性があるのではなかろうか。

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