望ましい合併とそうでない合併【01】 合併による将来像

掲載号 02年09月28日号

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 昨年12月因島市は、合併相手先を問う住民アンケートを実施した。瀬戸田町との合併を望む意見が46.2%を占めトップだった。その多数意見の底流をさぐってみた。

 ある土生の商店主は、そもそも合併は「経済圏、生活圏、文化圏を土台」に行なわれるべきで、行政の線引きだけでするのは不自然でうまくいかないと、強調する。つまり瀬戸田、上島四島との合併が自然だということになる。

 また八十八ヶ所のお遍路文化が根っこにある因島とそうでない向島や尾道が、うまくやっていけるか、不安だとも言う。

 さらには「せっかく御調郡から離れて市制に移行したのに、また元に戻るのか」の抵抗感もあると語る。

 こうした不安の背景には、単純な尾道との合併案への警戒心がある。日立造船関係者のなかからも「尾道と合併して海運局が移転しようものならやっていけない」との声が出ている。

 平成8年法務局の尾道移転で思い知らされたように全ての行政機能、たとえば市役所、警察署、消防署などの再編と集中は必至だ。それにともない、商工会議所や病院、サティなどのスーパーなども現状のままの維持はむずかしくなる。

 いずれにせよ市制移行から50年、土生町を中心に形成されてきた都市機能は、終りを迎えるかもしれないという不安材料の数々。

 さらにこれに追い打ちをかけるのが、しまなみ海道の渡橋料金問題だ。本四公団は来年4月1日から、開通時の割引料金を廃止し、もともとの料金に移行する予定だという。

 因島北~西瀬戸尾道が、1000円から1250円(普通車)。因島南~生口島北が400円から500円(同)になる。

青木忠

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