瀬戸田町長三原合併求め臨時町議会 合併問題調査特別委は反対意見噴出 逆転狙い一縷の望みに一喜一憂する因島市長

掲載号 02年08月10日号

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 架橋で繋がった「しまなみ海道」を生かして「しまなみ市」を提唱していた因島市の申し出を断って三原市との合併を選んだ柴田大三郎瀬戸田町長が苦境に立たされている。その一方で合併縁組を破談にされた因島市は因・瀬組合立のゴミ処理、消防、中学校などを抱えたままで孤立。さりとて尾道広域の選択を決めるにも合併のカギをにぎっている瀬戸田町議会の結果を待たねばならない状況になっている。

 こうした背景のなかで、柴田町長は12日(月)に臨時町会を召集。三原広域合併準備の「任意協議会」参加の負担金(300万円弱)の支出を提案する。

 同任意協は7月24日、三原市、本郷、久井の1市2町で設立したが、町議会との調整が難航する瀬戸田町が参加を見送った。しかし、任意協は、瀬戸田参加のタイムリミットを9月市町議会定例会までとしながらも、8月1日に事務局を三原リージョンプラザに開設。21日予定の第2回目の会議で「編入か新設か」について協議、来年6月法定協移行をめざす。

瀬戸田合併委 反対派が多数

 瀬戸田町議会合併問題調査特別委員会(13人)の意見は

●因島市と協議すべき=飯田誠一氏。
●しまなみ海道中心に2市3町(尾道)と合併=向井智明氏。
●町長の選択肢に具体的な理由が見当らない=山本貢氏。
●町長独断の任意協(三原広域)参加は納得できない=植田秀夫氏。
●町民の意見反映を考えると単独町制。財政面で合併は避けられないので1市3町(三原広域)の任意協に参加、町の意見が通らなければ脱退する条件にすべき=胡本進氏。
●しまなみ海道1市3町(尾道広域)が理想だが不安もあり1市3町(三原広域)へ期待=山本盛正氏。
●基本的には単独説。任意協は合併を考える場としては必要。任意協即法定協でない=宮地宏三氏。
●1市3町(三原広域)での具体的な有利の内容が見えてこないので他の合併パターンと比較できない=田頭秀生氏。
●特例法の期限切れ駆け込み合併に反対。行政主導、財政論偏重に問題がある=平野静一氏。
●町長が三原広域を選択したが、判断材料がほしかったと思う。1市3町(三原広域)には参加すべき=泉田馨氏。
●観光面ではしまなみ海道で、因島市との事務組合も無視できない。任意協(三原広域)を立ち上げた後、町民を説得する町長独断のプロセスに納得できない=杉原茂氏。
●町民や役場職員の意識変革の準備ができていない現段階での任意協参加は反対=川本秀司氏

(以上せとだ議会だより参照)

 委員の意見は個人差があるが、町長が示す三原広域合併に異論をとなえる議員が多数を占めている。

 町民は、三原市との合併方針で「夢の架け橋」に踊らされたが、その夢から覚め足もとを見直そうとしている。公然と町長に反対しがたいものの町議会の動向も微妙だ。町長もいったん方針を掲げたので方向転換はしないだろうから政権交替が必要になってくるかも知れない―と、来年の統一選挙へ合併論を飛躍させる声もある。

村上幹郎

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