除虫菊が結ぶセルビアと因島 因島高校で課外授業 芸術家アンドレアさん、高校生に歴史と魅力を語る

除虫菊研究のため昨年12月から5月まで日本に滞在しているセルビアのビジュアルアーティスト、アンドレア・パラシュティ(Andrea Palasti)さん(42)による講演会「除虫菊について」が7日、広島県立因島高等学校(吉迫里香校長)で開かれた。

アンドレアさんはセルビア北部のノヴィ・サドを拠点に活動し、国立ノヴィ・サド大学芸術アカデミーの准教授を務める。2014年から写真研究家でジャーナリストのダニエル・ポポヴィッチ(Daniel Popović)さんとともに、歴史や知識の中に埋もれた「見えざる物語」を掘り起こし、アート作品として表現する「リサーチ・ベースド・アート」に取り組んでいる。

アンドレアさん

2022年には「ヨーロピアンアイズ~ヨーロッパから見た日本」の企画で初来日。除虫菊に関心を持ち因島を訪れたことをきっかけに研究を続けており、その縁から今回の講演会が実現した。

講演では、除虫菊の起源や世界への広がりについて紹介。1840年代、地中海沿岸のバルカン半島に位置するクロアチア・ダルマチア地方で発見された「シロバナムシヨケギク」の花から作られる粉末が、害虫から作物を守る効果を持つことが分かり、「除虫菊」と呼ばれるようになったと説明した。

その後、クロアチア移民によってアメリカ・カリフォルニアへ持ち込まれ、1886年(明治18)には上山英一郎がアメリカの貿易商から種子を譲り受けて日本で栽培を開始。後に蚊取り線香の原料として広く普及した。

現在もアフリカのケニアやニュージーランド、パプアニューギニアなどで、蚊などの害虫から人々の暮らしや農作物を守るために栽培されているという。

アンドレアさんは「シンプルで可憐な花である除虫菊が、さまざまな国や文化、歴史を結びつけてきたことを、因島の人たちに改めて知ってほしい」と呼びかけた。

講演後には、ミラン・トレンク(Milan Trenc)さんが描いた絵はがきを使って「いんのしまストーリー」を考えるワークショップも行われた。このほか、大日本除虫菊株式会社(金鳥)の木村光喜総務部長による講演もあった。

除虫菊ヒストリー絵葉書

ワークショップで使われたミラン・トレンクさんの絵葉書。

YouTubeより

参考リンク

アンドレア・パラシュティ展「除虫菊:蚊虻牛羊を走らす」

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