2014年4月5日 / 最終更新日 : 2014年4月5日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【23】第三章『三島流水学軍用集並同抄』 から見る村上水軍の音の記述 『三島流水学軍用集並同抄』の「三島流」とは、来島・能島・因島の三島をそれぞれ領有した村上氏による海賊流の戦法である。 他に村上氏の諸流派として「一品流」「能島(野島)流」がある。(伊井 一九七九:二六) 大日本海志編纂資 […]
2014年3月29日 / 最終更新日 : 2014年3月29日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【22】第二章「軍楽」史の考察 『吏徴』において太鼓と貝に専門の役職が置かれているのに金の役職がないことから、この頃には金があまり重要視されていなかったか、使用されていなかったことが考えられる。音具を使用する目的としては、やはり兵士の士気を上げ、軍を統 […]
2014年3月22日 / 最終更新日 : 2014年3月22日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【21】第二章「軍楽」史の考察 第五節「軍楽」史の考察 本節ではここまで見てきた史料を基に「軍楽」史について考察する。 まず、平安時代までの「軍楽」は中国の鼓吹の影響が強かった。使用されていた音具は「鼓」「金」「大角」「小角」で、儀礼の場でも用いられた […]
2014年3月15日 / 最終更新日 : 2014年3月15日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【20】第二章「軍楽」史の考察 「近世ニ至リテハ銅鑼ヲ用ヒテ鉦鼓ニカフ」 近世では鉦鼓の代わりに銅鑼を使用している、としている。
2014年3月8日 / 最終更新日 : 2014年3月8日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【19】第二章「軍楽」史の考察 「義解ニハ鼓ハ皮鼓也鉦ハ金鼓也以テ喧ヲ静ムル所也トハ注セリ」 『令義解』によると、鼓は皮鼓で、鉦は金鼓である。これで喧騒を静めた、としている。
2014年2月22日 / 最終更新日 : 2014年2月22日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【18】第二章「軍楽」史の考察 『古事類苑 兵事部』(神宮 一九八四年、四六・五〇) 「兵法雄鑑[二十八座備]」(一六四五年、北条氏(一六〇九~一六七〇年)が編纂した兵法書) この図では貝と太鼓が大将の近くに置かれており、金はない。この配置は、大将の命 […]
2014年2月15日 / 最終更新日 : 2014年2月15日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【17】第二章「軍楽」史の考察 もう一つ「をし太鼓」というものが出てくる。後述する村上水軍の兵法書『三島流水学軍用集並同抄』の中にも「押シ太鼓」が出てくる。「押シ太鼓」は通常船を進める際に打つ打ち方である。この記述では「をし太鼓」の具体的な意味は解らな […]
2014年2月8日 / 最終更新日 : 2014年2月8日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【16】第二章「軍楽」史の考察 第三節 江戸時代以降の記述 本節では江戸時代の史料について考察する。本節で扱う史料は『北条五代記(一六四一年、北条氏の五代の逸話を集めたもの。十巻から成る)』、『吏徴(一八四五年、江戸時代の幕府の職別を記した書物)』、『 […]
2014年2月1日 / 最終更新日 : 2014年2月1日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【15】第二章「軍楽」史の考察 『太平記』(後藤 一九八四年(一)一五四、(二)一七五、一七八、一八六―一八七、(三)二一五)
2014年1月25日 / 最終更新日 : 2014年1月25日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【14】第二章「軍楽」史の考察 『平家物語』(高木他、1960年331) 「平家みかた勝ぬとて、しきりにせめ鼓うって、よろこびの時をぞつくりける。」『平家物語』巻11(1285)
2014年1月18日 / 最終更新日 : 2014年1月18日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【13】第二章「軍楽」史の考察 「大国 守一人。(略)鼓吹。(略)」『令義解』「職員令」(718年) 「凡軍団。各置鼓二面。大角二口。少角四口。通用兵士。(略)」『令義解』「軍防令」(718年) 「凡私家。不得有鼓。鉦。弩。牟。(月)。具装。大角。少角 […]
2013年12月21日 / 最終更新日 : 2013年12月21日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【12】第二章「軍楽」史の考察 細かい合図として使用されたかは不明だが、開戦の合図であったり、兵士を鼓舞するために使用されていたと思われる。また、弩や抛石といった武器と共に国へ献上されたり、贈られたりしていることから、楽器としての扱いはされず、武具とし […]
2013年12月14日 / 最終更新日 : 2013年12月14日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【11】第二章「軍楽」史の考察 「故貢献俘虜貞公普通二人、及鼓吹弩抛石之類十物、(月)土物駱駝一匹」『日本書紀』巻第二十二 推古天皇二十六年八月―二十八年是歳(六一八~六二〇年) 【訳】故に、捕虜である貞公・普通の二名と、鼓吹、弩、抛石などの十種並びに […]
2013年12月7日 / 最終更新日 : 2013年12月7日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【10】第二章「軍楽」史の考察 「時皇后親執斧鉞、令三軍曰、金鼓無節、旌旗錯乱、則士卒不整」『日本書紀』巻第九 仲哀天皇九年九月―十月(二〇〇年) 【訳】その時、皇后は自ら武器をお取りになって、大軍へご命令なさり「金や鼓が整わず、旗が乱れてそろわない状 […]
2013年11月23日 / 最終更新日 : 2013年11月23日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【9】第二章「軍楽」史の考察 本章では、海に限らず陸戦も含めて、史料を基に「軍楽」史について考察する。 方法としては、第一節から第三節までは、時代をそれぞれ第一節平安時代まで、第二節鎌倉時代から安土桃山時代、第三節江戸時代以降、に区分し、それぞれの時 […]
2013年11月16日 / 最終更新日 : 2013年11月16日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【8】第一章 村上水軍の概観 大日本海志編纂資料の資料分類は次の通りである=表。 括弧内の数字は冊数を示す。
2013年11月2日 / 最終更新日 : 2013年11月2日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【7】第一章 村上水軍の概観 毛利氏との結びつきを強めていた三島村上氏であったが、毛利元就が死去した後、跡を継いだ輝元と織田信長の対立が日に日に激しくなっていき、そして織田信長は瀬戸内海賊衆の取り込みを図った。これによって来島が、毛利氏より離反するこ […]
2013年10月26日 / 最終更新日 : 2013年10月26日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【6】第一章 村上水軍の概観 それと共に、幕府の討伐対象であった海賊は、海の交通を担う警固者となった。貞和五年(1349)に、伊予弓削島荘へ幕府の使者が派遣される際にその警固を「野島」に頼み、その代償として「酒肴料」という名目で警固料を支払った、とい […]
2013年10月19日 / 最終更新日 : 2013年10月19日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【5】第一章 村上水軍の概観 潮の性格を熟知していないと、このような難所を抜けるのはなかなか容易ではない。しかし船折瀬戸は芸予諸島を東西に抜ける最短コースである。このように海上交通の要衝であり、かつ海の難所であるところこそ、海賊の最も活動しやすいとこ […]
2013年10月12日 / 最終更新日 : 2013年10月12日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【4】第一章 村上水軍の概観 また、海上交通や権力とのかかわりについても考察しており、前者については「土着的海賊の中から有力な者が安全保障者としての海賊に成長」したとして、後者については「最初は権力に抵抗する政治的海賊であった者が、しだいに権力に接近 […]
2013年10月5日 / 最終更新日 : 2013年10月5日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【2】 第一章 村上水軍の概観 第一節 村上水軍について 一の一 海賊とは 本節では村上水軍の歴史の概観を見ていこうと思う。村上水軍という語だけ見るとまるで政治権力の下で戦う軍事集団のように思われるが、元は土着の海賊である。それ […]
2013年9月28日 / 最終更新日 : 2013年9月28日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【2】 前述の通り、水軍の軍楽についての音楽学的研究はほぼ皆無と言ってよい。他の分野においてもその研究はされていない。しかし水軍についての歴史学的研究はあり、山内譲の『瀬戸内の海賊――村上武吉の戦い』(2005)が挙げられる。ま […]
2013年9月21日 / 最終更新日 : 2013年9月21日 times 村上水軍の「軍楽」の研究 村上水軍の「軍楽」の研究【1】 神戸大学国際文化学研究科 山本詩乃 はじめに 研究の目的 瀬戸内海には中国地方と四国地方を結ぶ回廊のように多くの島々が密集している。そこでは古くから海賊衆と呼ばれる者達が活動していた。時代を経て、彼らは水軍と呼ばれる海に […]