手押車に子犬三匹顔出して紅葉より先に被写体とせり

岡野 幸子
 作者は、多くの人に愛用されているデジタルカメラを手に、紅葉狩りに来たところである。また、車を降りて紅葉名所の入口付近にさしかかった所である。


 紅葉の名所は広島県にも宮島・帝釈峡・三次市の尾関山公演などあるがこの歌の場合は、どこか近場の誰でも気易く歩けるような平坦な道、しかも数本のかえでが色づいているところかな、と思った。
 手押車と言うからには、たぶん、車を押して歩く方が楽なんだ、というような何処かのおばさんか、お婆さんである。なだらかな道、木漏れ日がきらきらと射す道を、小犬を三匹乗せた車をことことと押している。犬は多分白犬のマルチーズかな、三匹とも同じような毛並、顔つきをしている。飼主から見ると見分けがつくのだろうが、三匹とも重なるようにして、車の袋から顔をきょろきょろさせている。通り過ぎる人が思わず声を上げるほどに可愛い小犬三匹である。
 まだ一枚も撮ってない今日の初撮りのフィルムに、紅葉狩りならぬ、小犬狩りの被写体である。一枚目は、お婆さんも、三匹の犬たちも何をされるのかと、びっくりしたに違いない。木漏れ日であるので、まだら防止にフラッシュをチカリとすれば、犬もびっくり婆もびっくりである。
 つづけて五枚程写した。離れたり近づいたり、この作者(カメラマン)も余程に犬好きらしく、頭を撫でたり、犬に指先を舐めさせたりしていた。
 作者は、ふっと我にかえり、今日はみんなと紅葉や黄葉を鑑賞に来たのだった、と、友人達の後を足早に追いかけたが、降り返って見ると、犬も飼い主の婆さんも、さすがに疲れたらしく道端の石に腰を下ろして、犬も車から出して遊ばせていた。
(文・池田友幸)

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