フェンスから真っ赤なバラが顔出して急カーブまわる私を見ている

村上美和子
 歌の素材としては一寸楽しくなるところである。車とか運転と言う字句がどこにもなくても運転手が見えていて、「急カーブまわる」がいきいきとこの歌の情況を見せている。
 公園のフェンスは金網か、その網の目からこぼれるように、真っ赤なバラの花が一輪顔を覗かせている情景である。この赤いバラの花は、もっと以前の蕾のときからその枝先をのぞかせていたのだろう。小さな蕾の先っちょをのぞかせ、季節の到来と共に真っ赤な花を見せてくれたのである。


 この歌のもつ佳いところは、急カーブの道路をすいすいと運転しながら、ちらっと赤いバラの花を見た、時間にすればほんの一瞬である。車を停めることも振りかえることも出来ないカーブ道である。
「あーっ、奇麗なバラの花が、こんなところに」
「私の方を見ている」
 すれ違いのような時間、しかもバラの花との会話があるところである。
 バラの花は只ひたすらに咲いているのだが、これを擬人的とらえており、その感じ方とらえ方は個性的である。短歌は言葉数が少ないので、何でもないような「花が私を見る」の一言によって歌が起き上がって来て、花と人間との会話さえ聞えて来る。
 ゆきずりのバラの花の一輪によって、花と人との物語りや、一日の充実感を受ける。バラ園の百万本のバラの花も良いが、ただ一本の赤いバラの道辺の一輪もまたよしである。
 このフェンスから覗いている赤いバラは、今日は何台の車に会ったであろうか、安全運転をする車。急ブレーキをかけてタイヤの軋む音をさせながら走る車。じっと見つめていたことだろう。
(文・池田友幸)

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