ふたりの時代【12】青木昌彦名誉教授への返信

二通の起訴状 上
 私の人生を決めた二通の起訴状がある。自らとその時代を語るには、どうしても、それを避けて通れない。いずれも一九六九年四・二八沖縄デー闘争に関するものである。

    起訴状(勾留中)
左記被告事件につき公訴を提起する。
    昭和四五年三月七日
          東京地方検察庁
            検察官 検事 山崎恒幸
東京地方裁判所御中
本籍 広島県因島市椋浦町二七二番地
住居 不 詳
職業 広島大学学生
破壊活動防止法違反          青木 忠
            昭和十九年一〇月一一日生
   公訴事実
 被告人は、全国学生自治会総連合(委員長金山克己)書記長であるが、昭和四四年四月二八日のいわゆる沖縄デーに際し、「四・二八沖縄奪還闘争」を実施するにあたり
 第一 革命的共産主義者同盟書記長本多延嘉、反戦青年委員会東京地区反戦連絡会議世話人藤原慶久と共謀のうえ、「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」をめざして闘い、もって共産主義社会の実現を推進し、日米安保条約に反対し、「沖縄の本土復帰、基地撤去」を推進する目的をもって、多数の学生、労働者をして警備などの職務の執行に従事する警察官に対し、凶器を携え多衆共同して暴行脅迫を加えてこれを粉砕し、首都を制圧し、首相官邸を占拠するなどして公務執行妨害の罪および騒擾の罪を実行させる目的をもって、同月十七日午後六時ころから同九時三〇分ころまでの間、東京都文京区春日一丁目一六番二一号文京公会堂において開催された「七〇年安保勝利、新入生歓迎四・一七大政治集会」と称する集会の席上、参集した学生ら千数百名に対し
 被告人青木において、全学連書記長として「四・二八首都制圧、首相官邸占拠は断固かちとらなければならない。われわれはもはや機動隊を粉砕の対象としてとらえなければならない。機動隊を粉砕せずして七〇年闘争は切り開かれない。国家権力の暴力に対してわれわれが暴力を行使することは正当である。われわれの暴力には制限はない。この闘争で騒乱罪・破防法が適用されても絶対にひるんではならない」旨強調し、さらに「われわれのたたかいによって沖縄のゼネストを生み出そうではないか。われわれは佐藤訪米を一一月をまたずに粉砕しなければならない。四・二八闘争にはわれわれの手で首相官邸に中核の旗を立て官邸を占拠することを宣言する。ともにたたかおう」旨演説し、
 第二 前同目的をもって、同月二〇日午後零時三〇分ころから同二時ころまでの間、同都新宿区霞ヶ岳明治公園において開催された「四・二〇沖縄闘争勝利、七〇安保粉砕全国青年労働者総決起集会」と称する集会の席上、参集した学生ら五千数百名に対し、全学連書記長として「われわれは四・二八の全都制圧、首相官邸を占拠するために今こそ総決起しなければならない。一一月の佐藤訪米を実力阻止するため一切の労働者、学生、人民の力を結集し、四月二八日全都制圧・首相官邸を徹底した実力闘争にすることが七〇闘争を勝利するものであると全ての労働者、学生は確認しなければならない」旨強調し、さらに「すべての反戦青年委員会に結集する労働者諸君、わが全学連とともに四月二八日実力闘争に決起しようではないか。

(起訴状つづく)

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