そそとせる白き十薬抜こうかしら鳴子百合を日々追いつめる

村上 文子
 この一首の眼目は、前半の「十薬抜こうかしら」と、後半の「鳴子百合を日々追いつめる」の葛藤にある。


 作者は鳴子百合に好意をお持ちで、その分十薬にやや邪険気味か。それでも「そそと咲く(深謝・鑑賞子の勝手読み)白き十薬」との詠みから悪意は感じない。
 余程の花好きでも、好き嫌いはあり、十薬を捨て、鳴子百合を育てる位の愛憎に、それほどの厭味はない。
 いままでの生活を振り返っても、「花など見るのも嫌」という人に出会った記憶はない。
逆に、おおよその人は花を見ると目を和める。
 花を見て目が和むのは花に共感を覚えるからで、では「花とは」と更に尋ねれば『花とは種子植物の有性生殖にかかわる器官の総体』と説くのを広辞苑流朴念仁という。
 花は花時と鑑賞子に迫るのは坂東玉三郎、よいタイミングで現れてくれた。
 そこで御負けと言うのも何だが「白き十薬抜こうかしら」の、艶やかな舞の一差を所望いたしたく候。
 さて、作者が十薬を抜こうとされるのは、十薬よりも鳴子百合を好まれているからだ。
 それにしても、始めから「抜こうかしら」とトーンが下がっていて、そこに花を愛す作者がいた。
 作品の裏にある「抜こうかしら」「いや抜くまい」とする結論、『十薬と鳴子百合の生存競争で鳴子百合に与力したい作者の心根』は、想像するしかあるまい。
 何であれ、生命活動が栄養摂取・感覚・運動・成長・増殖のような生活現象なので、作品の母性的な温かさが快く伝わって来る。
(文・平本雅信)

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