三つ葉草核(たね)が土中に生きづきて分裂拡散避けんと取りゆく

松井年幸
 短歌には材料が何であっても、それぞれの人の思いがこめられてある。三つ葉草という、強烈な繁殖力を持った、畑の作物の害をする雑草除去に精力的に取り組んでいる思いの伝わる歌である。取っても取っても取り尽くせない三つ葉草である。


 私共がよく眼にする一枚の葉っぱが三つに分かれている種類がよくある。徳川家の家紋にしている三つ葉あおい・幸せを呼ぶというクローバー・三隅草・三つ葉柏、あけび・みちばぜり・かたばみ・うつぎ・など。
 この歌の主語になっている三つ葉草を植物図鑑などでよくよく調べてみると、ハナカタバミである。江戸時代の終りに海外から鑑賞用として渡来しており、この植物の強力な繁殖力により忽ちのうちに日本全土に広がっていった。
 小指くらいの一つの球根が三十個くらいの小球根(ゴマ粒大)をつけて分裂して行き、畑土を念入りに耕せばそれにつれて範囲も広がり、また、人の履く靴や農器具に付いて広がったものと思われる。岩の割れ目、コンクリートの裂け目などに入ると何年も生き続く。
 この作者の心意気は頼もしい。みかん畑が菜園であろうか。一粒の球根も、一本の葉軸も残してなるものかと、丁寧に畑土をかき分けるようにして取り進んでいる。取り尽す範囲は一度にやろうとすれば、気おくれがするので、座布団くらいの広さから、畳一枚分二枚分と根気よくやっているのがよい。
 ハナカタバミも以前はピンク一色であったが、近頃は鑑賞用として、赤、黄、黒い紋入り葉の品種もある。
 これを取り除くにも適期がある。花が咲く以前には土中の球根もまだ分割していないので、完全除去が可能である。
(文・池田友幸)

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