アサリ貝の生態調査 福山大学大学院生 高橋淑瑛さん

自然環境の変化のなかで消えてゆく瀬戸内海の風物詩。潮干狩りもそのひとつ。海に魅せられて東京・日野市から福山大学生命工学部海洋生物科学科に入学した高橋さん。卒業研究で取り組んだアサリ貝の生態調査を継続するため両親を説得して大学院に進学。尾道市因島大浜町にある同大附属内海生物資源研究所近くの自然貝放流調査試験場に通いテーマと取り組んでいる。

高橋淑瑛さん

指導にあたっているのは同学部の乾靖夫教授と北口博隆講師。因島周辺島しょ部の海浜からアサリがいなくなり因島市漁協は市の補助もあって10数年も稚貝放流を続けてきたが成果が上がっていない。この窮状の原因を究明して資源回復につなげようと学生や地域住民に呼びかけ「アサリ資源の復活プロジェクト」が立ち上げられた。

昨年5月には0.9トン(約27万個)の稚貝を放流。生育調査を福大生が卒業研究テーマとしてまとめ学内で発表した。今年は約2倍の2トンを放流、5月26日には因島大浜公民館で高橋さんを講師に地域住民対象の「里海のつどい」が開かれ、悪戦苦闘の体験談から海洋科学を楽しみながらアサリの天敵、津免多貝(つめたかい)駆除や自然環境保護の取り組みを訴えた。

2年目に入ったプロジェクトに青春をかける高橋さんは「数年で結果が出ないかも知れないが、人間が里山を壊し、海を埋め立て乱獲、食卓のアサリの約7割が輸入という現状を変える役に立ちたい」と黒い瞳を輝かす。趣味はサイクリングと風景写真。穏やかで青い海にひかれたのは中学2年生だったという。

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