もやもやの次期衆院選6区 自民県連候補者選び難航 国民新党・民主が共闘の構え

 解散含みの「ねじれ国会」は越年したものの緊張感を持続しながら各政党とも次の衆院選をにらみ活発な動きを展開している。こうした流れの中で自民党広島県連〔溝手顕正会長〕は県内唯一の自民空白区になっている亀井静香国民新党代表代行の牙城、第6選挙区の候補擁立が難航、手詰まり状態。現状のまま推移すれば共産党が「非自民」の共闘を重視、公認候補を擁立しない戦略を打ち出しているので全国でも珍しい無風選挙区になる雲行きが濃くなっている。

因島の新年互礼会で気勢をあげる亀井・佐藤両氏


旧宮沢派 苦渋の選択
 テロ特措法で揺れる国会解散が浮上していた昨年10月15日、宮沢喜一元首相の地元葬のために訪れた自民党の古賀誠選対委員長は福山市内で、党公認候補の擁立が進んでいない衆院広島6区について「空白区を埋めることが最初の作業になる」と記者団に述べ、年内(昨年)を目標に人選を進めていく考えを示した。
 これを受けて自民県連は亀井系の県議を除き水面下で人選を進め、6区内の世羅町出身で故宮沢元首相秘書を経て県議7期目の小島敏文氏(57)に白羽の矢を立てた。擁立の前提として亀井代議士の離党以来、空席となっている自民党の広島6区支部長に小島氏を充てることを諮る方向で年の瀬も迫る12月21日に選対会議と役員会を東京で開くところまで漕ぎ着けた。
 小島氏はその前日の20日夜、地元後援会の緊急役員会を開き「政権政党でありながら6区から自民党公認候補を出さないわけにはいかない」と転身の理由を説明した。ところが、後授会の半数を占める亀井支持者がいることもあって市町合併による三原市・世羅郡区の県議選で当選したばかり。自・公に対する逆風、亀井―宮沢支持者のしがらみなどを分析した上で反対意見が大勢をしめ断念した。
当て馬選考にしがらみの壁
 このため最終調整に入っていた選対会議と役員会は土壇場に来て急きょ中止。県連幹事長の奥原信也県議は「仕切り直しだ。時間をかけても党本部の要請をふまえ地元選出の方向で候補選考を進めたい」と意欲をにじませるが、県議会の中では「とんだ茶番劇で一から出直し。地方区で落選しても比例上位にランク付けする条件などがなくては出る者がいないよ」と冷ややかだ。
 もともと、中選挙区(3区定数5)でトップ争いをしていた宿敵同士が小選挙区へお国替えになったため自民党の枠組みから6・7区の亀井―宮沢の地盤をバーター、ドッキングして生まれた選挙組織である。両選対は互いに気遣いながら選挙戦を重ねてきた。その結果、6区の市町長・県議の大半は「自民党系亀井支持者」が占め国民新党とのとまどいやひずみはあるものの強固、付け入る隙がない。
 それに加えて昨夏の参院選は民主党の小沢一郎代表と亀井会談で親子二代に渡り争って来た尾道市出身の佐藤公治氏の支接を決め精力的に応援。いまでは各地の新年互礼会場での2ショットに対する違和感も薄れ次期衆院選協力ムードも盛り上がっている。
 こうした現状から亀井代議士の離党で議席を失った自民6区の奪還は旧宮沢支持層の掘り起こしにかけるか、時間をかけて新組織づくりを模索するか難問が横たわっている。
あるパーティ会場で「溝手先生6区の候補者を早くお決めになっては(亀井)」・「亀井先生、自民で出て下さいよ(溝手)」といった会話が伝わって来る昨今。6区人選は一時休戦状態に入った。
民主和田復活で福山7区に異変
 自民党は壁が厚くリスクも大きい6区よりも2・5・7区の補強をーという心配もある。
 前回、約2万票余りの差を付けて当選した宮沢洋一氏だが自民党への逆風が気になる。一方で惜敗した和田隆志氏は岩国市の出直し市長選に伴う選挙で民主党の議席が欠け2005年衆院選中国ブロックの名簿次点だったため繰り上げ当選になる道がひらけ勢いづいてきた。
 民主・共産票に国民新党が加われば自民票とほぼ拮抗する。だが「共産支持者が全部民主に行くとは限らない。棄権票が増えるだけ」と自民県連は受け止める。6区の候補者選定が急がれるものの2・5・7区に力を入れないと勢力図が大きく変わると気をもむ形勢は否めない。

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