小春日の桃剪定はのどかなり一羽の小鳥近く寄り来て

宗近陽三郎
 去年の剪定作業は、風があって寒い日であったが、今年はここ数日風もなく小春日和が続いていてありがたいありがたい。お陰で仕事へのかかりも気持がよい、それに近くの桃の木に小鳥も来ているではないか、なーんと長閑(のどか)な剪定日和だろう。


 これはこの歌の大意であり、桃という果樹作り人としての素朴な祝ぎ歌である。
 小春日とは、季語では冬である。初冬の十一月末から年内いっぱいまでの頃にぽかぽか陽気の春のような日和が続くときがある。畑の取り入れが終っても、作物や樹種によっては、これからが、仕事の本番もあって、北風に吹きさらされるよりも、小春日和の方が何倍もよい。桃とか葡萄はとくに落葉して直ぐ剪定をする。他の落葉樹も同じであるが、木の休眠期には切り口から雑菌も入らず、樹液も噴かないので春への準備の精気を温存できるのでこの時期がそうである。
 作者は桃作りのプロフェッショナルである。多くの体験、知識のもち主である。桃作りも年間を通しての幾つかの作業手順もあれば、剪定作業一つ掴まえて見ても、奥には奥があり、上がある。ましてや、市場に出荷してもこれは立派だ、おいしいと言うものでなければ商品ではない。一本の木の姿、一枝の作り方にも結果が付いて廻るものである。剪定鋏のパチンと言う冴えた音、実りの夏を見通した枝抜きをする鋸の音、桃の木作りの賛歌が聞える。
 又、寄って来た小鳥は尉鶲(じょうびたき)ではないだろうか、燧石(ひうちいし)を打つような声で「ヒッ、ヒッ」と鳴く渡り鳥である。しかも果樹の剪定の時期に合せて渡ってくる小鳥である。

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