因島教育の幼・小・中一貫校「因南学園=仮称」は何をめざすか 平谷祐宏教育長に聞く

因南学園建設予定地の旧因島高校跡地

因南学園建設予定地の旧因島高校跡地

尾道市教委(山北篤委員長、平谷祐宏教育長)は5月29日、因島因南地区の土生幼稚園と小中6校を統合し、旧因島高校土生校舎跡地に幼・小・中一貫の「因南学園」(仮称)を設置する方針を決めた。

中学校ばかりか小学校も地域からなくなると、因南地区の住民のなかに衝撃が走り、一部で強い拒絶反応が広がっている。

本紙は2日、平谷祐宏教育長に対して、「因南学園」は何をめざしているのか、インタビューを行なった。

ゼロからの出発

平谷祐宏教育長

平谷祐宏教育長

―尾道市教育の現状についてお聞きしたい。

【教育長】 平成15年3月9日の高須小事件で尾道市教育の信頼はゼロになった。そこからどのように立ち直るか、必死の努力があった。「尾道教育プラン21」とそれに続く「尾道教育さくらプラン」を通じて、教育環境の改善に努めてきた。教育委員会の役割は教育環境の整備に尽きます。

―小中学校の適正配置の方針も決めていますね。

【教育長】

  1. 学級人数は、20-30人程度が望ましく適正である
  2. 学年の適正な学級数は複数学級である、というものです。

―幼児教育にも力を入れてきましたね。

【教育長】 非常に重視しています。「人間力の基盤を培う幼児教育の推進」をかかげて尾道市幼児教育振興計画をつくりました。幼稚園から始まるのが、他にない「因南学園」の大きな特徴です。

絶好のチャンス

―合併時、因島地域の教育についてどのように感じましたか。

【教育長】 尾道市全体の観点で見たとき、小中とも、施設面においても人的な面においても教育環境の整備が非常に立ち遅れていると痛感しました。

―その改善を幼・小・中一貫校設置に求めたわけですね。

【教育長】 例えば、土生、三庄、田熊の3小学校をそれぞれ改修するといっても財政的裏付けは全くないというのが、現状です。市教委から見れば、新市建設計画に因南中学校設置方針が盛り込まれていたことが決定的でした。財政危機が深刻化するなかで、因南地区の義務教育全体の教育環境改善をなしとげる絶好のチャンスと言えます。これを活かすしかありません。

―うまくいくのか不安の声が聞かれますが。

【教育長】 必ずうまくいきます。因島の内部だけで考えないでほしいと考えています。尾道市教委の指導力を信じてほしい。その全体の力をかけて「おのみちモデル」としての幼・小・中一貫校を開校します。合併のスケールメリットを教育の面でも活用すべきです。個別では無理な課題でも全体の力でやりとげることができます。

町づくりの拠点

3月に行われたPTA説明会の様子

3月に行われたPTA説明会の様子

【教育長】 因南学園は、地域の就学前教育の拠点であるだけでなく、まちづくりの拠点になることをめざしています。充実した義務教育の学校の誕生は地域の教育を活性化させるとともに、地域の充実と活性化を生みだすと確信しています。―地域から学校がなくなることへの住民の抵抗感は強いと思われますが。

今後の取り組みはどうなりますか。

【教育長】 「(仮称)因南学園設置概要」をつくり、建設にむかって行政全体に対する説明を開始しています。さっそく市のホームページに載せて、誰にでも見られるようにしました。どんどん読んでいただきたいと考えています。(※以下のリンクをご覧下さい。)

(青木忠)

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