にこにこと男孫来たりてガラス拭き正月二日を東京に立つ

安川二三子
 新年の帰省について、事前の一報はあったと思われるが、年の瀬の二十九日に、「おばあちゃん、来たよ」と、にこにこ顔の男孫が東京からやって来たのである。


 「まあ大きゅうなって」と、頭から足先まで見下ろしながら、祖母は眼を細めての大喜びである。小さい時には親達と帰省していたが、中学、高校となると島に帰るよりも、友達やバイトが大事になるのでなかなか帰られない。
 年末は新年の神様をお迎えする為に、何処の家でもまとめて大掃除をする。日頃からしていればどうと言うことはないが、一年総まとめの大掃除となる。その一年の総煤払いに心強い援軍がやって来たのである。
 あれもやって、これもしてと、ガラス拭きに限らず、高齢者や女性にはどうにも、というところをやってくれる。その横顔をしみじみと見ながら、このがっしりした体、眼元のあたりは私似かな、いやいや亡くなった夫に似ている。今年はお年玉を倍にしようか、それにしても正月の二日とは、ちっと早いなと言いながら。若い頃に憶えた「逢うは別れの初めとか」の句を思いながら、男孫との別れを惜しみ、短い新春の喜びに浸っているのである。
(文 池田友幸)

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