客帰り気が付くと小さな棘(とげ)がある脳よあのとき眠っていたの

増成 君子
 解りにくい詠み方ともとれるが、一、二度読み返してみると納得できた。
 さて、この家に来ていた客とは、良いお客か、悪いお客か、まあまあの客かなどなど考えてみた。何かの用件があったに違いないが、普通に考えて、隣り近所の人、何かの会などで一緒にやっている人、親戚の人、泣きごとや自慢をしに来る人。


 この歌の場合は、話の内容を聞かないことには、どのような客であったか不明だが、割合と身近な人ではないかと思われる。
 この歌の「小さな棘」というところから判断すると、結果的には「招かざる客」、いわゆる来て欲しくないお客の一人である。
 この歌の詠み方は、自己と相手との相互の会話の中身は、何処にも見えないが、なかなか面白い心理描写がしてあるのでは、話の内容によっては、皮肉(ひにく)にも聞えるし、言葉の暴力にもとれる。
 客が玄関から消えたあと、しばらくして何か割り切れない思いがして来たのである。話し合った内容は、それほどに大げさでもなく、あたりをはばかる秘密ごとでもなかったのだが、と思い返しながら、話の筋道を這っていると、或る一点が急に思い出されたのである。あの時のあの言い方の終りの一言が、「あっ…あれがちくり」か、なぜ、あの時の私の脳みそは、どうしていた、眠っていたのだろうか。
 そう思えば、あの人の来たときの顔と、話をして帰るときの顔は違って見えた、ちょっと自慢げにも見えたし、いやらしくも見えた。
 私の頭脳は敏感なのか鈍感なのか、自問自答しながら、こぶしで前頭をこつこつやりながら、棘のある会話を思い返している。あの時、私が言い返していたらどうなっていたか。気が付かんのも、知らん振りをするのも処世訓の一つと思えばよい。

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