因島技術センター 初の撓鉄中級技能研修 全国から12人が受講

 因島技術センター(川路道博会長)は5日、初の撓鉄(ぎょうてつ)中級専門技能研修の入校式を、株式会社三和ドックで行った。
 研修生は初級修了者、ないしはそれと同等の技能を持つ人たちで、今回は全国募集に応じた研修生が5人と、かつてなく多かった。「因島方式」と呼ばれる因島技術センターの実績への注目度の高さを示した。


 冒頭、川路会長は「撓鉄は熱と水を使いながら鉄板を曲げていく作業。コンピューターではうまくいかないところで、経験と勘によるスピードが求められる。それが『匠の技』と言われる所以である」と挨拶。
 それに応えて受講生を代表して、三和ドックの岡野伸広さん(23)が「先輩の築いてきた技術を学び、伝承していきたい」と決意表明をした=写真
 式の終わりに寺西勇副会長が「ここで使われている教材は、10数年間にわたって(社)日本中小型造船工業会が何億円もの費用をかけて匠の技を残そうと日本中の知恵を集め、開発したものだ」と強調した。
 12月3日から14日まで、溶接・切断中級専門技能研修が行われる。実習場所は内海造船株式会社因島工場内。研修生は次の通り。
桑原奨(内海造船株式会社)▽菅唯之(株式会社三和ドック)▽岡野伸広(株式会社三和ドック)▽村上陽一(興進産業株式会社・向島町)▽田中浩二(向島ドック株式会社)▽寺下洋平(向島ドック株式会社)▽金本啓靖(岩城造船株式会社)▽村田輝文(三菱重工業株式会社神戸造船所)▽安富康二(三菱重工業株式会社下関造船所)▽下田典之(北日本造船株式会社・八戸市)▽石田達朗(北日本造船株式会社)▽片山絢也(旭洋造船株式会社・下関市)
指導員は次の通り。
専門コース長=中村研一(株式会社三和ドック)▽同補佐兼座学講師=松本敏文(株式会社三和ドック)▽技術指導員=山本博(内海造船株式会社瀬戸田)▽同=岡野幸三郎(内海造船株式会社因島▽同=村上幸則(株式会社三和ドック)
9年目を迎えて500人超が卒業
 中国運輸局因島海事事務所が平成10年、因島地域の造船業・舶用工業の実態調査をした。そのなかで製造業の現場では勤労者の高齢化、少子化と若者の地元離れや製造業離れが進んでいることが明確となった。
 その現状に踏まえ、即戦力となる技能・技術者の育成が必須となり、地元造船界からの強い要望があり、官民あげて、平成11年4月に因島技術センターが設立された。
 平成11年4月、初任者研修第一期生の入校を迎え、平成19年度で9年目を迎えた。平成16年度からは、撓鉄初級専門技能研修を開講し、同17年度には溶接・切断中級専門技能研修および配管艤装初級専門技能研修を順次開講した。そして今回、撓鉄中級専門技能研修を開講した。平成19年11月9日現在、修了者は522人になる。

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