久間前防衛相しょうがない発言 正義の戦争よりも不正義の平和

 日ごろ地方紙として中央政局の動向について語ることを控えているが、今回の久間前防衛相の「しょうがない」という言葉は使いようによっては重宝である。欲しい商品に手が出ないときや「できたことはしょうがない」とか、この一言で諦めの方向へ気持ちを誘導できる。モノに限らず、平素から多様なケースに用いれば執着心を薄めることができる場合が多い。


 しかし、原爆投下が、戦争終結を早めるためのやむを得ない手段だったとも受けとめられる防衛大臣の発言となれば許されることでない。広島、長崎への原爆投下が、なぜウラン型、プルトニウム型とタイプの異なるものであったのか。本来の目的が「人間殺傷実験」であったことは疑いようもない。
 こうした不用意に確信的な発言が出てくる裏には長年、隠し持っていた政府の「核武装」論者が喋りたくてウズウズしていた本音が出たともいえる。福山の名誉市民で作家の井伏鱒二が「黒い雨」の主人公に「正義の戦争よりも不正義の平和のほうがいい」と言わせたフレーズが印象深い。
(村上幹郎)

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