尾道地区保護司会「社会を明るくする運動」入選作文【12】「社会をつくること」
尾道地区保護司会(楢原幸伸会長)が行った第64回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。
「社会をつくること」
長江中学校二年 尾方萌々子さん
「元受刑者―。」
この言葉に皆さんはどんな印象を受けますか。
私は、二度と消えることのない烙印を押されて苦しむ人がイメージできました。
皆さんの中にも、似たようなイメージをされた方がいたのではないかと思います。
実際に、元受刑者が再び犯罪を犯して刑務所に戻るという話を私は聞いたことがあります。
こういったことから、元受刑者は良くないイメージがされるのだと思います。
しかし、私たちがこのように元受刑者に対してレッテルをはったために、社会に馴染むことができず、再び犯罪を犯した人もいるのではないかと思います。
そんな中で私の価値観を変えるものに出会いました。ある日の新聞のとある記事です。
それは、元受刑者たちが芝居をする、新しい生き方を模索する受刑者たちの姿を追ったドキュメンタリー映画の紹介の記事でした。
私はこの記事にすごい衝撃を受けました。
この映画は、芝居をする元受刑者の過去をもとに製作されていたのでした。
つまり元受刑者たちは自分の過去を、映画を見る多くの人に伝え、懸命に生きているのです。
この記事を読んだとき、どんな過去でも未来を切り開くことができるんだと知ることができました。
また、この映画を作ろうと思った監督などの方々は、元受刑者を知って、未来の応援をしていました。それに対して、元受刑者にレッテルをはっている自分は、とても情けないと思いました。
しかし、これから私たちは何をしていけばいいのでしょうか。
まずはできることから始めていくべきだと思います。
記事にかかれているような、元受刑者を知ることができる映画や場所を積極的に利用して、レッテルを壊していけば良いと思います。
それでも結局は人の「心」が一番大切だと思います。
心から「受け入れよう」「応援したい」と一人一人が思わなければ、私たちは偽りの社会をつくることになります。
このことは元受刑者だけにあてはまることだけでなく、人間関係で、人を見た目や噂だけで判断することも「偽り」なのだと思います。
今日もどこかで元受刑者は迫害を受けているのかもしれません。
本当の思いやりのある社会を作る意識をもって、できることから始めていきたいと思います。
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