「社会を明るくする運動」入選作文【11】二人に一人
尾道地区保護司会(木村修二会長)が行った第72回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。
二人に一人(中学校の部 尾道地区保護司会会長賞)
久保中学校3年 波多結花さん
私は、ある日のニュースで出所者のうち、二人に一人が再入所しているという現状を知った。私は初め、このニュースについて何とも思わなったけれど、なぜまた出所者の二人に一人が再入所してしまうのだろうかという疑問が浮かび、調べてみることにした。
調べてみると、出所者だけの問題だけでなく、私たちにも問題があるということが分かった。
出所者が再入所する一つの要因として、再入所者の約七割が無職のためだといわれている。それにはさらに、三つの理由があるそうだ。
一つ目は、入所者は十分な教育機会がないということ。しかしこれについては、刑務所に入っている間にいろいろな資格が取れるという対策ができているということが分かった。
二つ目は、住む場所がないために、就職の面接を受けられないということ。しかし、これにも対策がなされており、行き場のない出所者のために、更生保護施設というものがあることを知った。また、平成23(2011)年度には「緊急的住居確保、自立支援対策」といった受け入れ機能が強化されている。
三つ目は、就職先から向けられる厳しい目があるということ。そこには出所者に向けられる偏見がある。実際に就職先からは、「出所者を雇うのはリスクが大きい」、「厨房で出所者に包丁を持たせるなんてとんでもない」といった偏見があるそうだ。
確かに、私も犯罪を犯した人と一緒に働くということを想像すると、少し「怖い」という思いを持ってしまうかもしれない。けれど、出所者への偏見をなくし、出所者の生きやすい世界をつくらなければニュースで見たように、二人に一人がまた刑務所に入ってしまうかもしれないのだ。どうすれば偏見をなくせるのだろうか、と悩んでいると「協力雇用主」という言葉と出会った。
協力雇用主とは、日本に約2万5,000社あり、犯罪をした者の自立や社会復帰に協力することを目的として、犯罪をした人を雇用する事業主のことだ。その中で、協力雇用主である株式会社キューピットワタナベ代表取締役の渡辺さんの取材記事を見つけた。渡辺さんは取材の中で、「人間には四つの大切なことがある。愛されること、ほめられること、役に立つこと、必要とされること、この経験ができれば、きっと立ち直ることができる。」と言っていた。私はこの言葉にはっとした。私は、この渡辺さんのような考え方ができる人がもっと増えていけば、出所者にとって生きやすい社会になるのではと思った。
どんな有能な人でも、自分の存在を認めてもらえなければ、生きる意味を見出すことは難しい。逆に、苦しくても、周りから認められ、必要とされれば、頑張ろうと思える。それが働くということで、それが社会で生きる、ということなのだ。
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