ふるさとの史跡をたずねて【305】十王堂(尾道市因島中庄町)

十王堂(尾道市因島中庄町)

閻魔堂のことを十王堂とも言う。尾道市因島中庄町のJA因島北支店前の道路、さらに川を越えたところに遍路道標と常盤橋の石碑があり、その西側の塀の中に十王堂がある。字名では仁井屋と黒松の境界付近である。

この十王堂のことは安永3年(1774年)9月の中庄村の村立実録帖に記載されている。村立実録帖というのは、村の状況を広島藩へ報告したもので、地元に残っているのはその控えである。

それには堂六ケ所として小田 薬師堂、熊 観音堂、山崎 大師堂、徳永 大師堂、法大寺 十王堂、石丸 地蔵堂とある。(「因島市史料第一集」による)

では、「法大寺」とはどこのことであろうか。同書には別に寺三ケ寺として、長福寺、成願寺、金蓮寺が記載されているから、「法大寺」とは地名のことで、以前はそのような名前のお寺があったが当時は既になく、地名として残っていたと考えてよいであろう。「中庄字名略図」でこの付近を探すと長音寺と沖田の間に「宝大地」がある。

また「因島市の文化財」の表紙に使われている文政二年の絵図には成願寺の近くに「法大寺土橋」が描かれているから。「法大寺」が「宝大地」に表記が変わったと考えられる。字名番地対応表によると、宝大地はJA因島北支店一帯となる。

これらのことから考えて、ここの十王堂は川の南側か北側かはわからないが、安永3年には既にこの付近にあって、以来庶民から信仰されていたものだと思われる。

写真・文 柏原林造

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