「社会を明るくする運動」入選作文【9】心の傷を軽くするために

尾道地区保護司会(村上俊昭会長)が行った第71回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。

心の傷を軽くするために(中学校の部 尾道市教育委員会賞)

長江中学校3年 宮地凛奈さん

「瑛凛ちゃんってさ、うざいよね。」

私が、小学校四年生のときに何回も聞いた言葉だった。一番最初に言われたときは覚えていない。でも、そのときからみんなの態度が変わったんだと思う。

当時、私はどうしてそういうことを言われているのか分からなかった。私は、ずっと一緒にいるような友達は二人と少ない方だった。だから、いじめをしている人達が止まらなかったのかもしれない。

私にはなにもできなかった。いや、なにをすれば良いのかも分からなかった。ただただ、みんながもう悪口を言わなくなるのを待っているだけだった。毎日毎日見られて、笑われて。何か一つするたびに他の人が面白おかしくそれをまねしてきて、本当に辛かった。心が悲鳴を上げていた。当然親には言えなかった。言ったら両親両方ともいじめっ子達の家に抗議しに行くと思ったからだ。

そんな中、私の心が本格的に壊れなかったのは、その時の一番の友達のおかげだと思っている。私の話を真面目に聞いてくれて、一緒に怒ってくれたおかげで本当に救われた。

それが半年くらい続いた後、クラスに変化があった。私の友達が先生にこのことを言ってくれたのだ。算数のテスト中に私をいじめていた人が呼ばれ、教室からは一気に人が減った。私には状況が分からなかった。

そのとき、一番印象に残ったのは、先生の言葉だ。いつも優しく滅多に怒らない先生が、初めて怒り、「あなた達は人の心を壊した自覚はあるの。」と言ってくれた。その言葉で私はようやく自分の心の状態が分かった。毎晩必死になって涙をたえたこと。もう嫌だ死にたいと何回も思ったこと。全てが嫌になってそんな自分が嫌になったこと。あの時の言葉は、私を本当に救ってくれた。

あの後、いじめっ子は、私に謝ってきた。当時、私は言葉では「いいよ。」と言ったけれど、許すつもりなんて全くなかった。

しかし、あれから五年経って今振り返ってみると、その人達にも何かしらの理由があったのかもと思うようになった。

私が経験したいじめ。それは人にとても深い傷を残すのだと思った。私の心が本当に壊れなかった理由は、あの時私の話を聞いてくれる信頼できる友達がいたこと。そして私のために怒ってくれた先生がいたからだと思う。

いじめている人は、おそらく自分がいじめているのだと分かってはいない。日頃のストレスや不満をぶつけたいからそういう行動を取るのだと思う。実際に私に謝ってきた人達も心からの言葉ではなく、先生が怖かったからのように感じた。先生に言われたから、というのが多いと思う。

でも私はそういう人達もある意味被害者だと思う。誰かがそばで彼らの話を聞いていたらいじめなかったかもしれない。

そしていじめを受けた本当の被害者にも話を聞いてあげる人、そばにいてくれる人がいたら心の傷は軽くなると思う。

これは、今の私の中での考えで理由だ。自分でも最初、受け入れるつもりはなかったし、その人達を許せるかと言われたら、そこも微妙だ。でも私は、その人達と向き合う努力はしようと思っている。

この五年で心底思ってきたこと、それは、そばに一人でも信頼できる人がいたら、それだけで救われるということだ。どんなに辛くても一人でもそばに居る人が居たら、それだけで心は軽くなる。

社会を明るくするためには、人のことを思いやることが大切だと思う。そうしたら、みんな一人は心から信頼できる人が現れると思う。そして、わざわざ相手をいじめることもなくなる。そうすれば学校、会社そして社会の関係が良くなると思う。そのためにも私は社会で生きる一人として、人のことを思いやっていきたいと思った。

第71回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテスト 表彰者の皆さん

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